鳩尾(読み)キュウビ

デジタル大辞泉 「鳩尾」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐び〔キウ‐〕【×鳩尾】

胸骨の下のくぼんだ所。みぞおち
鳩尾の板」の略。

みず‐おち〔みづ‐〕【鳩尾】

《「水落ち」の意》「みぞおち」に同じ。

はと‐お〔‐を〕【×鳩尾】

きゅうび(鳩尾)

みぞ‐おち【鳩尾】

胸の中央のへこんだ所。胸骨の剣状突起下部急所の一。きゅうび。みずおち。

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精選版 日本国語大辞典 「鳩尾」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐びキウ‥【鳩尾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 胸と腹の間のくぼんだ所。みずおち。みぞおち。
    1. [初出の実例]「鳩尾の一穴は蔽骨の下五分に有」(出典:全九集(1566頃)七)
    2. 「借状程の物が、鳩尾(キウビ)へさし込は、アリャアリャ、痛や痛や」(出典:虎寛本狂言・胸突(室町末‐近世初))
  3. きゅうび(鳩尾)の板(いた)」の略。
    1. [初出の実例]「右を栴檀、左を鳩尾といふよしいひ伝へ侍り」(出典:本朝軍器考(1722)九)

みず‐おちみづ‥【鳩尾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 水落ちの意 ) 胸骨の下の、中央のくぼんだ所。きゅうび。みぞおち。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「誠に此の鳩尾(ミヅオチ)の所に打たれたのが立割られたやうで」(出典:真景累ケ淵(1898)〈三遊亭円朝〉六)

みぞ‐おち【鳩尾】

  1. 〘 名詞 〙 胸の中央部で、胸骨に接するへこんだ部分柔道空手などで急所の一つとされている。心窩。みずおち。
    1. [初出の実例]「胸骨の下を鳩尾(ミソオチ)といひ臍下を小腹といふ」(出典:小学読本(1874)〈榊原那珂稲垣〉二)

はと‐お‥を【鳩尾】

  1. 〘 名詞 〙きゅうび(鳩尾)

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改訂新版 世界大百科事典 「鳩尾」の意味・わかりやすい解説

鳩尾 (みぞおち)
the pit of the stomach

水落(みずおち)のなまりであるといわれている。心窩(しんか)ともいう。胴の前面正中線上で,胸と腹の境界部にあるくぼみをいう。その位置は,いいかえると左右肋骨弓が相合するところで,ちょうど胸骨の下端にある剣状突起のところに相当している。

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世界大百科事典(旧版)内の鳩尾の言及

【腹】より

…生物学的には腹部という。動物の体幹の中央部ないし後半にあって,内部に腹腔をもち,臓器をおさめている領域。腹をもつ動物では,一般に体が左右相称で,体の前端部に中枢神経や感覚器の集中した頭があり,頭と腹の間には胸が,腹の後には尾が分化していることが多い。体幹がこのように分化した動物は高等な体制をもつもので,ほぼ節足動物と脊椎動物がそれにあたる。
[動物の腹]
 節足動物の昆虫類では,胴部は明りょうな二つの部域に分かれており,前部を胸部,後部を腹部という。…

※「鳩尾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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