黄錫鉱(読み)おうしゃくこう(その他表記)stannite

翻訳|stannite

最新 地学事典 「黄錫鉱」の解説

おうしゃくこう
黄錫鉱

stannite

化学組成Cu2 FeSnS4鉱物硫錫鉱とも。正方晶系,空間群,格子定数a0.546nm,c1.0725,単位格子中4分子含む。鋼灰色,金属光沢条痕黒,劈開なし。硬度4,比重4.4。空気中で反射多色性不明瞭,異方性明瞭。反射能18.5~20.4(400nm),24.3~26.0(500),28.6~29.4(600),26.4~26.8(700)。亜鉛置換体ケステル鉱(kesterite)は空間群を異にし(),ZnによるFeの置換はFe>Znに限定される。いわゆる気成鉱床接触交代鉱床・熱水鉱脈鉱床などから報告されている。気成鉱床では錫石・鉄マンガン重石などと石英脈中に,接触交代鉱床では黄銅鉱閃亜鉛鉱・石英などとスカルン中に,熱水鉱脈鉱床では黄銅鉱やほかの含錫硫化物と石英脈中に産する。命名はラテン語のstannum(錫)による。

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関連語 スズ石 黒色

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄錫鉱」の意味・わかりやすい解説

黄錫鉱
おうしゃくこう
stannite

高温から中温の熱水鉱脈鉱床、接触交代鉱床(スカルン型鉱床)、ペグマタイト中に産する、黄銅鉱に近縁硫化鉱物。黄銅鉱・閃(せん)亜鉛鉱などとよく共存する。亜鉛置換体の亜鉛黄錫鉱kësterite(化学式Cu2ZnSnS4)、銀置換体のオカール鉱hocartite(Ag2FeSnS4)、カドミウム置換体のツェルニー鉱černýite(Cu2CdSn4)、ゲルマニウム置換体のブリアル鉱briartite(Cu2(Fe2+,Zn)GeS4)などとともに黄錫鉱群を形成する。外見上は黄銅色と鉄灰色の中間色で特徴づけられる。命名は化学成分による。

加藤 昭 2016年1月19日]


黄錫鉱(データノート)
おうしゃくこうでーたのーと

黄錫鉱
 英名    stannite
 化学式   Cu2FeSnS4
 少量成分  Ag,Zn,Cd,Mn,In,Sb,As,Ge,Se
 結晶系   正方
 硬度    4
 比重    4.49
 色     鋼灰
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黄錫鉱」の意味・わかりやすい解説

黄錫鉱
おうしゃくこう
stannite; tin pyrite

Cu2FeSnS4 で表わされる鋼灰色の鉱物。正方晶系。比重 4.3~4.5,硬度4。金属光沢をもち,条痕は黒色。気成鉱床,接触鉱床,鉱脈鉱床から,スズ石や黄銅鉱に伴って産出する。

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