黄飯(読み)オウハン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄飯」の意味・わかりやすい解説

黄飯
おうはん

大分県臼杵(うすき)地方にみられる料理。豊後(ぶんご)黄飯ともいい、大友宗麟(そうりん)伝来のものといわれる。黄色い飯(めし)なので黄飯というが、いかなご料理を添えることが多く、その料理を黄飯ということもある。少量の食用油を深い鍋(なべ)に入れ、まず水切りした豆腐、次にささがきごぼうを入れ、少し柔らかくなったところでニンジンダイコンを加える。骨、頭、尾などを取り除いて肉だけにした焼き魚イカナゴを使うことが多い)の身を加え、ネギを加えて煮る。クチナシの実の煎(せん)じ汁で炊いた黄色い飯に、具をかけて用いる。

多田鉄之助


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黄飯」の意味・わかりやすい解説

黄飯
おうはん

大分県の郷土料理。くちなしの花を煎じた汁で炊いた塩味の飯の上に,大根,ごぼう,人参,ねぎ,豆腐,焼き魚の調味したものを載せて供する。

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世界大百科事典(旧版)内の黄飯の言及

【芳飯】より

…貞享・元禄(1684‐1704)ころの江戸では,のちにはたけのこ飯を名物とした目黒で,浪屋の芳飯というのが有名だった。やや特殊ではあるが,全国的に知られていたのは豊後の黄飯(おうはん)である。クチナシで黄色に染めた飯の上に,ナス,ズイキ,ゴボウ,ネギなどと,コチやカマスなどの魚をいっしょに煮たものをのせ,かきまぜて食うというもので,同国出身の農学者大蔵永常はその著《徳用食鏡》(1833)の中でおおいにこれを推賞している。…

※「黄飯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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