(読み)コ

デジタル大辞泉 「こ」の意味・読み・例文・類語

こ[接尾]

[接尾]
名詞または動詞連用形に付く。「こ」の上に促音が加わることもある。
㋐…のこと、…することの意を表す。「あい」「慣れっ
㋑二人以上で同じ動作を互いにすることを表す。「かわりばん」「取りかえっ
㋒二人以上で同じ動作を競い合う意を表す。「駆けっ」「にらめっ
擬声語・擬態語などに付いて、そのような状態である意を表す。「ぺしゃん」「どんぶり
名詞に付く。
㋐小さいの意を表したり、親愛の情を示したりする。「にゃん」「べこっ
話し言葉や俗な言い方として用いられる。「はじっ」「あん

こ[五十音]

五十音図カ行の第5音。軟口蓋の無声破裂子音[k]と母音[o]とからなる音節。[ko]
平仮名「こ」は「己」の草体片仮名「コ」は「己」の初2画。

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精選版 日本国語大辞典 「こ」の意味・読み・例文・類語

  1. 〘 接尾語 〙
  2. [ 一 ] ( 「こと」の変化したもの ) 名詞または動詞の連用形などに付いて、…のこと、…することの意を表わす。上が促音化することもある。「あいこ」「ほんこ」「馴れっこ」「構いっこ」など。また、「…(っ)こなし」「…(っ)こない」の形で、…しないことを互いに確認する、…するわけがない、…するはずがない、などの意を表わす。
    1. [初出の実例]「コレサ、そんなきまらぬ事をいいっこなしさ」(出典:黄表紙・心学早染艸(1790)中)
    2. 「嘘事(うそっコ)だから是でも能(よい)ねへ」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)
  3. [ 二 ] 動詞の連用形や名詞などに付いて、その動作を二人以上ですることを表わす。上の音が促音化することが多い。
    1. 二人以上で、同じ動作をお互いにすること。「取りかえっこ」「かわりばんこ」など。
    2. 二人以上で、同じ動作を同時に、競争して行なうこと。くらべ。くら。「当てっこ」「駆けっこ」「にらめっこ」など。
  4. [ 三 ] 特に擬声語擬態語などの副詞などに付いて、そのような状態であることを示す。「ぺちゃんこ」「どんぶりこ」「ごっつんこ」など。
  5. [ 四 ] 名詞などに付いて、小さなものの意を表わしたり、親愛の情を示したりする。「べこっこ」「にゃんこ」など。
    1. [初出の実例]「藪こあたれば、腹こがちくり」(出典:童謡・めえめえ児山羊(1921)〈藤森秀夫〉)
  6. [ 五 ] 名詞に付いて、幼児語または俗語として用いる。「はじっこ」「すみっこ」など。

こ【こ・コ】

  1. 〘 名詞 〙 五十音図の第二行第五段(カ行オ段)に置かれ、五十音順で第十位のかな。いろは順では、第三十三位で、「ふ」のあと「え」の前に位置する。現代標準語の音韻では、軟口蓋の無声破裂音 k と母音 o との結合した音節 ko にあたり、これを清音の「こ」という。これに対して、「こ」に濁点をつけた「ご」は、軟口蓋の有声破裂音 ɡ の結合した音節 ɡo と、軟口蓋の通鼻破裂音 ŋ の結合した音節 ŋo とにあてられる。ŋo は語頭以外で ɡo の代わりに現われる。ɡo・ŋo を合わせて「こ」の濁音といい、特に ŋo については、鼻濁音の「ご」という。鼻濁音を特に示す必要があるときは、濁点を一つにし、または半濁点゜を用いることがある。「こ」の字形は「己」の草体から出たもの、「コ」の字形は同じく「己」の初二画をとったものである。ローマ字では、清音に ko を、濁音に go をあてる。

  1. 〘 感動詞 〙 人に呼びかける時のことば。こう。これ。これこれ。
    1. [初出の実例]「こ。はなのさきへつばきをつけさっしゃい、つけさっしゃい」(出典:洒落本・遊子方言(1770)発端)

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普及版 字通 「こ」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音]

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(か)。〔説文〕二上に「小兒の(な)く聲なり」とあり、〔詩、大雅、生民〕「后稷、たり」の句を引く。「」と連言することが多く、擬声の語である。

[訓義]
1. 子のなくこえ、生まれたときのなきごえ。
2. 蛙の声。
3. うつ音。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ナク 〔字鏡集〕 チゴノナク・ナク

[熟語]

[下接語]
・聆

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「こ」の意味・わかりやすい解説

五十音図第2行第5段の仮名。平仮名の「こ」は「己」の草体から、片仮名の「コ」は「己」の初めの2画からできたものである。万葉仮名には2類あって、甲類に「古」「故」「枯」「姑」「固」(以上音仮名)、「粉」(訓仮名)、乙類に「己」「忌」「巨」「去」「居」「許」(以上音仮名)、「木」(訓仮名)などが使われ、濁音仮名としては、甲類に「吾」「呉」「胡」「後」「虞」(以上音仮名)、「籠」「兒」(以上訓仮名)、乙類に「其」「期」「碁」「凝」「語」「御」(以上音仮名だけ)などが使われた。ほかに草仮名としては「(古)」「(許)」「(故)」などがある。

 音韻的には/ko/(濁音/go/)で、奥舌面と軟口蓋(こうがい)との間で調音される無声破裂音[k](有声破裂音[g])を子音にもつ。上代では甲乙2類に仮名を書き分けるが、これは当時の音韻を反映したものと考えられる。

[上野和昭]

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