デジタル大辞泉
「烏山椒」の意味・読み・例文・類語
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からす‐ざんしょう‥ザンセウ【烏山椒】
- 〘 名詞 〙 ミカン科の落葉高木。本州中部以南、南朝鮮、台湾、中国などに生える。高さ六~七メートル。小枝には刺(とげ)を生じる。葉は互生し、大形の奇数羽状複葉で、しばしば葉軸にも刺がある。四~一〇対の小葉は先のとがった卵状長楕円形で長さ約一〇センチメートル、縁に細かい鋸歯(きょし)があり、裏面は白緑色。雌雄異株。八月ごろ、梢上に円錐花序を出し黄緑色の小さな五弁花を密につける。果実は径約六ミリメートルの球形で、熟すと三つに裂けて辛みのある種子を出す。葉を煎じたものはマラリアや風邪に効用があるという。烏が種子を食べるところからの名。からすのさんしょう。〔日本植物名彙(1884)〕
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カラスザンショウ
からすざんしょう / 烏山椒
[学] Zanthoxylum ailanthoides Sieb. et Zucc.
ミカン科(APG分類:ミカン科)の落葉高木。高さ5~8メートル、枝に刺(とげ)が多い。葉は長楕円(ちょうだえん)状披針(ひしん)形、長さ5~10センチメートル、縁(へり)に鋸歯(きょし)があり、裏面は白緑色、もむとバニラの香りがある。奇数羽状複葉で、小葉は10対前後。雌雄異株。夏、円錐(えんすい)花序を頂生し、花は多数で小さく、淡緑色。萼片(がくへん)、花弁とも5枚。雄花は5本の雄しべ、雌花は3枚の心皮からなる1本の雌しべがある。蒴果(さくか)に辛味のある種子があり、これが名の由来とされる。本州から沖縄の暖地の林縁に生え、中国、朝鮮、フィリピンにも分布する。
[古澤潔夫 2020年10月16日]
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カラスザンショウ(烏山椒)
カラスザンショウ
Fagara ailanthoides
ミカン科の落葉高木で,暖地に生じる。高さ 7mに達し,枝にはとげがある。葉は奇数羽状複葉で4~15対ある小葉は長楕円形または披針形をなし,細かな鋸歯があって先は鋭くとがる。裏面は白緑色である。葉軸,特に若枝につくものにとげがある。夏に,枝の先端に円錐花序をつけ,淡緑色の小花を多数開く。雌雄異株。萼片,花弁各5枚あり,雄花ではおしべ5本,雌花では3心皮から成るめしべ1本をもっている。 蒴果は裂開し,種子には辛みがある。
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鴉山椒 (カラスザンショウ・カラスノサンショウ)
学名:Fagara ailanthoides
植物。ミカン科の落葉高木,薬用植物
烏山椒 (カラスザンショウ・カラスノサンショウ)
学名:Fagara ailanthoides
植物。ミカン科の落葉高木,薬用植物
越椒 (カラスザンショウ・カラスノサンショウ)
学名:Fagara ailanthoides
植物。ミカン科の落葉高木,薬用植物
食茱萸 (カラスザンショウ)
学名:Fagara ailanthoides
植物。ミカン科の落葉高木,薬用植物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の烏山椒の言及
【イヌザンショウ】より
…果実を民間薬とする。本種に似て落葉高木となり,枝に太いとげをもち,葉は長さ30~80cmに達するカラスザンショウZ.ailanthoides Sieb.et Zucc.は日本(小笠原,本州,四国,九州,南西諸島),台湾,中国に分布する。二次林に多く,材はげた材となる。…
※「烏山椒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」