ABS樹脂(読み)エービーエスじゅし

百科事典マイペディアの解説

ABS樹脂【エービーエスじゅし】

アクリロニトリル,ブタジエン,スチレンを重合して得られるじょうぶな熱可塑性樹脂。比重1.05〜1.07。ポリスチレンの長所をすべてもつうえに耐熱性,耐衝撃性,寸法安定性が著しくすぐれる。テレビなど家電製品のキャビネット,自動車の計器盤をはじめとする内装部品,事務用機器のハウジング,ヘルメット,旅行かばん等に使用。
→関連項目熱可塑性樹脂ポリアクリロニトリル

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世界大百科事典 第2版の解説

エービーエスじゅし【ABS樹脂 ABS resin】

アクリロニトリル,ブタジエン,スチレンを重合させてつくられる樹脂で,それぞれのモノマーの頭文字をとってABS樹脂と呼ばれる。ポリスチレンの耐衝撃性を改善するために開発された樹脂であり,当初,アクリロニトリルとスチレンの共重合樹脂(AS樹脂)にアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)をブレンドしてつくられたが,最近では,NBRにアクリロニトリル,スチレンをグラフト重合したABS樹脂とか,そのグラフト樹脂とAS樹脂とのブレンド樹脂も製造されている。

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家とインテリアの用語がわかる辞典の解説

エービーエスじゅし【ABS樹脂】

アクリロニトリル(acrylonitrile)・ブタジエン(butadiene)・スチレン(styrene)を化合して作るプラスチックの一種。硬く丈夫で耐衝撃性・耐薬品性・耐熱性にすぐれ、化学めっきも容易。金属の代替品として、建材や家具材、家電製品部品などに用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ABS樹脂
えーびーえすじゅし
ABS copolymer

アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)とスチレン(S)よりなる合成樹脂で、ポリアクリロニトリルの耐熱性、剛直性、耐油性、耐候性と、ポリブタジエンの耐衝撃性、ポリスチレンの光沢のよさ、電気特性、加工性とを兼ね備えた優れた性質をもっている。この3成分の単なる混合物ではなく、いろいろな形式で共重合させたものである。重合の形式にはブレンド型とグラフト型とがあり、前者はスチレンとアクリロニトリルの共重合体とアクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム(NBR)を混合したもので、その共重合体の組成や混合割合によってその物性を変化させている。後者はポリブタジエンの存在下でスチレンとアクリロニトリルとを共重合させたもので、この共重合体の一部がポリブタジエンにグラフト重合(幹となる線状高分子に任意の高分子の枝をつける反応)するために耐衝撃性を示すようになる。用途としては、その強度を買われて、ヘルメット、各種機械、建築材料、バンパーなどの自動車部品、合成木材などに用いられる。[垣内 弘]
『高分子学会編『共重合3 工学解析』(1987・培風館) ▽ヘルメット成形技術読本編集委員会編著『ヘルメット成形技術読本』(1989・シグマ出版) ▽佐伯康治・尾見信三編著『新ポリマー製造プロセス』(1994・工業調査会) ▽伊保内賢編、大井秀三郎ほか著『プラスチック活用ノート』3訂版(1998・工業調査会)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

エービーエス‐じゅし【ABS樹脂】

(ABSはacrylonitrile butadiene styrene の略) スチレン共重合樹脂の一つ。アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを共重合させたもの。金属に代わる耐衝撃性をもつ合成樹脂とされる、耐熱性、耐薬品性、耐低温性にも優れ、電気部品や自動車部品として用いられる。

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