デジタル大辞泉
「海底熱水鉱床」の意味・読み・例文・類語
かいてい‐ねっすいこうしょう〔‐ネツスイクワウシヤウ〕【海底熱水鉱床】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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海底熱水鉱床
地中から熱水が噴き出す海底の周りで、熱水に含まれる金属成分が沈殿してできた鉱床。煙突のような噴出口や、小高い丘などの地形が特徴で、含有される金属には銅や鉛、亜鉛などのほか、貴金属の金や銀がある。貴重な資源とされるガリウムやゲルマニウムなどのレアメタルも多く含むものもある。日本近海では伊豆や小笠原の周辺や沖縄海域などでの存在が知られ、政府は商業化に向けた探査や技術開発を推進している。鉱床にすむ生物が特殊な生態系を構成していることでも注目されている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
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海底熱水鉱床
かいていねっすいこうしょう
submarine hydrothermal deposit
海底からわき出る高温の熱水溶液が急冷され,微細な沈殿物が塊状に固まった鉱床。 1978~79年に,ペルー沖の東太平洋海膨の海底で,熱水の噴出口が発見された。海水中に噴出した熱水は急冷され,微細な沈殿物が急速に析出するため,煙のように見える。また,噴出口付近には沈殿物がパイプ状に積もって,煙突のように見える。このため,析出物が硫化物に富む場合の噴出口をブラックスモーカー,硫酸塩に富む場合はホワイトスモーカーと呼ぶ。同様にスモーカーは,その後,メキシコ西海岸沖,カリフォルニア湾,カナダ西海岸沖,大西洋中央海嶺,インド洋の海嶺でも発見された。これまでに発見されたスモーカーは,プレート境界のうち,新しく海洋地殻が生れる拡大軸に限られていた。これに対し,88年には,フィリピンプレートがユーラシアプレートに沈み込む地帯の背弧海盆に相当する,沖縄トラフの伊是名 (いぜな) 海穴でもスモーカーが発見された。拡大軸の鉱石は愛媛県の別子鉱床で代表されるキースラーガー型鉱床に,背弧海盆の鉱石は秋田県の小坂鉱床で代表される黒鉱型鉱床に類似している。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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「海底熱水鉱床」の意味・わかりやすい解説
海底熱水鉱床【かいていねっすいこうしょう】
海底火山活動にともなう熱水から重金属が沈殿してできた鉱床。1965年に紅海で発見されて以来,ガラパゴス海嶺,東太平洋海膨,大西洋中央海嶺,沖縄トラフなどで次々と発見され,現在注目されている海底金属資源の一つ。熱水から沈殿したセッコウや重晶石などが噴出口を取り巻いて煙突状の構造をつくり,その周囲にはそれらの鉱物とともに多量の重金属を含んだ硫化鉱物が沈殿している。また噴出口の周辺にはシロウリガイやチューブワームなどからなる特異な生物群集が形成されている。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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