出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
東南太平洋の西経100~120°の間をカリフォルニア湾(北緯20°付近)からエルタニン断裂帯(南緯55°付近)までほぼ南北に走る大洋中央海嶺で,大西洋中央海嶺などに比べて拡大速度が3倍以上(6~7cm/年)であるために,見かけの勾配がゆるく,海膨と呼ばれた。山頂の水深は2600~3000mほどで,中軸谷は大西洋のように大規模なものはない。1978年のアルビンAlvin(アメリカ)とシエナCyana(フランス)の潜航調査によって銅,亜鉛,ニッケル,コバルトなどの重金属に富む熱水が中軸部の海底に噴出して硫化物を沈積し,そのまわりには硫黄バクテリアを食べる動物をもとにした底生動物集落が形成されていることが発見された。周辺には深海性ソレアイト質玄武岩の枕状溶岩の露頭が各所に見られた。中軸部の海底直下数百mの所に幅1kmのマグマだまりが存在するらしいことも海底地震計,海底重力観測によって判明した。
→海嶺
執筆者:小林 和男
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East Pacific rise
太平洋の南東部を南北に延びる大洋中央海嶺の一つ。カリフォルニア湾から55°S付近のヒーゼン断裂帯まで延長8,400km,西側の太平洋プレートと東側のココス,ナスカ,南極プレートを隔てる。ヒーゼン断裂帯からマッコーリー三重点までの太平洋南極海嶺を東太平洋海膨に含めることもある。海嶺軸と2,000km離れた麓部との比高1.5kmという緩やかな山容から,海膨と呼ばれる。拡大速度は14°S~33°Sで14〜16cm/年,南北両端付近で7〜9cm/年。10本の主要なトランスフォーム断層と19の重複拡大軸で分断される。9°N,12°N〜13°N,14°S〜20°Sでは軸部の地形的セグメンテーションと対応して拡大軸下0.7〜1.7km以深にマグマ溜りがある。マグマ溜り頂部の深度は拡大速度,第2A/2B層厚比と逆相関する。軸上には軸部トラフ(axial trough)と呼ばれる浅い地溝が存在することがある。軸部と軸麓は主としてロベイト溶岩,傾斜地は枕状溶岩が卓越する。
執筆者:海野 進
参照項目:大洋中央海嶺
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
太平洋の中央海嶺(かいれい)にあたる広大な海底の隆起。位置は太平洋中央部より著しく東に偏っている。幅2000~4000キロメートル、比高2000~3000メートルだが、地形は比較的なだらかで、中軸谷も明瞭(めいりょう)でないので、海膨または海丘とよばれている。南アメリカ大陸沖からメキシコにかけては典型的な海膨の姿をみせているが、北部では東半分が北アメリカ大陸と重なっていて、全容をみることができない。カリフォルニア湾から北は断続的になるが、延長部はファン・デ・フーカJuan de Fuca海嶺を経て、アラスカ湾まで追跡することができる。南部は太平洋・南極海嶺に連なっている。
[勝又 護]
… 離れるプレート境界ではアセノスフェアが海底近くまで上昇し,中央海嶺を形成する。中央海嶺は,北極海,大西洋,インド洋などの大洋のほぼ中央に連なる海底の大山脈で,太平洋では南東部に走る東太平洋海膨となっている。中央海嶺下のアセノスフェアは圧力低下のためにマグマを生じ,海嶺中軸部では火山活動や地下での貫入が起こる。…
…中軸沿いに浅い地震の列が観測され,海底が生成・拡大しつつあることが明瞭な大洋中央海嶺mid‐oceanic ridgeと,地震活動の列がみられず,中軸部の岩石の年齢も古い非活動海嶺aseismic ridgeとに分けられる。太平洋の南東部に見られる長大な高まりはこう配が比較的ゆるく,起伏もなめらかなので東太平洋海膨とよばれるが,成因的にはこれも大洋中央海嶺の一種である。 大洋中央海嶺の中軸部には中軸谷をもつもの(大西洋中央海嶺,インド洋中央海嶺)ともたないもの(東太平洋海膨,レイキャネス海嶺)がある(図2)が,いずれにもきわめて若い深海性ソレアイトとよばれる玄武岩の枕状溶岩が露出している。…
※「東太平洋海膨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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