メートル法に属する単位系の一種。現今の国際単位系の骨組みとなった単位系で,1901年イタリアのジョルジG.Giorgiによって提案された。基本量として長さ,質量および時間を選び,それぞれに対応する基本単位としてメートル(m),キログラム(kg)および秒(s)を選んで,これらの組合せにより他のさまざまな量の単位を構成していく単位系である。体積の立方メートル(m3),加速度のメートル毎秒毎秒(m/s2),密度のキログラム毎立方メートル(kg/m3)などのほか,特別の名称を与えられた単位,例えば力のニュートン(N),圧力のパスカル(Pa),仕事・エネルギーのジュール(J)が,この単位系に含まれる。これをCGS単位系と比較すると,基本量の選び方は同じであるが基本単位の選び方が違っており,実用的価値において勝っている。
執筆者:高田 誠二
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(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)
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…1901年,ジョルジGiovanni Giorgiは長さ,質量,時間の単位をそれぞれメートル,キログラム,秒とし,これに電気の実用単位系中の一つの単位を加えた四つの独立な単位からなる単位系を作れば,力学的にも電磁気的にも実用的な大きさの基本単位からなる単位系ができることを示した。この単位系をMKS単位系という。35年に独立な電気の単位として電流の単位アンペアを採用すれば電磁気の単位の次元が整数になることが示された。…
… 次に,長さ,質量,時間のそれぞれに対してどのような単位をあてはめるかが問題になる。メートル法の範囲でも,かつては,センチメートル(cm),グラム(g),秒(s)をあてはめた単位系(CGS単位系)が便利とされていたが,20世紀に入ってから,電磁気諸量の単位のこととも関連して,メートル(m),キログラム(kg),秒(s)をあてはめた単位系(MKS単位系)のほうがいっそう便利と認められることになった。 一方,19世紀後半以後の科学技術,とりわけ熱,光,電磁気,物性にかかわる諸学術の進歩は,単位系の議論にもさまざまなインパクトを与えた。…
※「MKS単位系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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