災害派遣精神医療チーム(DPAT) 災害や事故などの際、現地に入る精神医療チームで、2013年に発足。「Disaster Psychiatric Assistance Team」の頭文字を取り「ディーパット」と呼ばれる。精神科医や看護師ら3人以上で1隊を編成。災害発生から48時間以内に現地で活動する隊を「先遣隊」と位置付けている。1隊当たりの派遣は移動日2日、活動日5日の1週間が目安。新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」にも派遣された。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
大規模な自然災害、深刻な事件や事故が発生した際、各都道府県などから派遣される精神医療チーム。Disaster Psychiatric Assistance Teamの略称で、正式名称は災害派遣精神医療チーム。名称は、DMAT(ディーマット)(災害派遣医療チーム)と関連づける形で、厚生労働省によって定められた。DPATは都道府県および政令指定都市によって組織された、精神医療の中核的機関に籍を置く精神科医師、看護師、業務調整役などからなるチームで、災害が起こった場合は、災害時精神保健医療情報支援システム(DMHISS(ディーミス))で情報共有を図りながら、被災地域の都道府県が設けた災害対策本部や災害医療本部の指揮のもとで72時間以内に被災地などに派遣される。自然災害や事故が発生した地域では、精神保健医療機関の機能が一時的に低下したり、災害ストレスなどを軽減する医療行為の必要性が急激に高まることがある。DPATは被災地での交通事情やライフラインにおけるあらゆる障害を想定して、通信手段、宿泊、日常生活面等で自立した組織であり、被災地のニーズによっては、児童精神科医、薬剤師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者などが派遣される場合もある。活動期間は1週間を基準とするが、必要があれば数週間から数か月に及ぶこともある。また、精神保健福祉センターや公立病院に常設拠点を設置し、被災者の長期的なこころのケアにも対応する。
2011年(平成23)3月の東日本大震災では、不安や恐怖による強烈なストレスのために、フラッシュバックや睡眠障害などの症状が長期間にわたって継続する、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ状態に陥る被災者が多く、全国の自治体や医療機関からこころのケアチームが派遣された。しかし、事前に広域災害に関する研修や訓練を受けた組織ではなかったため、現場での活動にさまざまな課題を残した。このような経験を参考にして厚生労働省が活動要領を定め、全国的に統一して運用を始めたのがDPATである。こうした非常時の活動のほか、災害時こころの情報支援センターと協力し、災害派遣医療についての専門知識や技能を習得する研修などが行われる。
[編集部]
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