PISA(読み)ピザ

デジタル大辞泉 「PISA」の意味・読み・例文・類語

ピザ【PISA】[Programme for International Student Assessment]

Programme for International Student AssessmentOECD経済協力開発機構)加盟国を中心に3年ごとに実施される15歳児の学習到達度調査。主に読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーなどを測定する。多肢選択式と記述式で構成され、得点はOECD加盟国の受験者平均が500点、標準偏差が100点となるよう換算される。アンケートによる生徒・学校情報の収集も併せて行われる。オーストラリア教育研究所を中心とする国際コンソーシアムが国際的な調査の実施・調整を行い、日本国内では国立教育政策研究所が文部科学省などと連携して実施している。学習到達度調査。国際学習到達度調査。ピサ。
[補説]平成12年(2000)の初回調査以降、参加国・地域は増加傾向にある。日本の成績は平成15年(2003)、平成18年(2006)と続落し、ゆとり教育の問題点が指摘された。学習指導要領全面改訂後の平成21年(2009)は3分野とも順位が上昇した。

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共同通信ニュース用語解説 「PISA」の解説

PISA

経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査の略称。15歳(日本では高校1年相当)を対象に、義務教育で学んだ知識や技能を実生活の課題に活用する力を測定する。出題は「科学的応用力」「数学的応用力」「読解力」の3分野からなり、自由記述式と選択式で構成。解答までのプロセスや概念の理解が重視される。2000年の開始以降、3年ごとに実施され、毎回順番に1分野を重点調査する。今回は新型コロナウイルスの影響で1年遅れの22年に実施した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「PISA」の意味・わかりやすい解説

PISA
ぴざ

経済協力開発機構(OECD)によって、15歳児(正確には15歳3か月~16歳2か月)を対象に定期的に行われる国際的な学習到達度調査のこと。Programme for International Student Assessmentの略称。1997年に調査プログラムの開発が始まり、第1回調査は2000年、以後、3年ごとに実施されており、2000年と2009年は読解力reading literacy、2003年と2012年は数学的リテラシーmathematical literacy、2006年と2015年は科学的リテラシーscientific literacyと、この3領域を順に重点的に調査している(他の領域を調査しないということではない)。ただ単なる学力だけではなく、学習動機や家庭環境についても調査している点が大きな特徴である。類似の調査として国際教育到達度評価学会(IEA:The International Association for the Evaluation of Educational Achievement)が実施するTIMSS(ティムズ)(Trends in International Mathematics and Science Study、国際数学・理科教育動向調査)があるが、TIMSSは「学校カリキュラムの習得度」を測定しようとしているのに対して、PISAは知識の修得度と同時にその知識を活用するスキルについても測ろうとしている点が両者の大きな違いである。すなわち、PISAのほうが新しい学力観に基づいているといいうる。このような違いが存在するため、両者のランキングにはかなりの相違があり、たとえばフィンランドはPISAにおいては最上級のランクであるが、TIMSSにおいては中位である。現在、PISAの結果は各国の政府、教育関係者の注目の的であり、当該国の教育政策にも大きく影響を及ぼすようになっている。日本では、国立教育政策研究所が文部科学省と連携・協力してPISA調査を実施している。2000年調査には32の国・地域が参加したが、2003年には41の国・地域、2006年には56の国・地域、2009年と2012年には65の国・地域、2015年には72の国・地域と参加が拡大している。なお、高等教育の領域においても、類似の趣旨の調査であるAHELO(アヘロ)(Assessment of Higher Education Learning Outcomes、高等教育における学習成果の評価)がOECDによって開発されており、大学生の学習成果を測定している。

[山内乾史 2018年5月21日]

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図書館情報学用語辞典 第5版 「PISA」の解説

PISA

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知恵蔵mini 「PISA」の解説

PISA

学習到達度調査。義務教育が修了した段階までに学習した知識や習得した技能を、生活の中にある課題にどの程度活用できるかを測定する試験。15歳3か月以上16歳2か月以下の学校に通う生徒(日本では高等学校1年生)を対象に、経済協力開発機構(OECD)が2000年から3年ごとに実施している。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーなど、中心分野を設定して重点的に調査する。15年度の調査のうち、他者と協力しながら問題を解決する「協同問題解決能力」の調査結果が17年11月21日に公表され、日本は参加52カ国・地域のうちで2位となった。

(2017-11-24)

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