いわゆる「しみ」で、顔面に淡褐色斑として現れます。
女性に多く、妊娠時に濃くなることや、経口避妊薬によって引き起こされることがあることなどから、女性ホルモン、とくに卵胞ホルモンと黄体ホルモンとの関連が指摘されています。
また、紫外線にあたりやすい部位に症状が現れ、実際に紫外線をあびることが症状の悪化と関連している場合が多いので、発症の原因として紫外線が重要であると考えられています。
さらに、ストレスも関係していると考えられています。
30~40代の女性の顔面、とくに頬、額、上口唇に左右対称に淡褐色の色素斑が現れます。妊娠時に現れる場合は、妊娠2~3カ月ころから現れることが多く、次第に色調が濃くなります。出産後には徐々に消えていく場合もありますが、長期に持続する場合もあります。
経口避妊薬によるものでは、内服が長期になるほど症状が出やすくなります。
トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンEの内服やハイドロキノン、コウジ酸、アルブチン、リノール酸などの美白剤の外用、またはケミカルピーリングが効果的なことがあります。
基本的には、紫外線にあたらないように注意をする必要があります。外出時にはサンスクリーンを使用するのがよいでしょう。ストレスをためないように気分転換を行ったり、十分な睡眠をとることも大切です。
治療については皮膚科専門医に相談してください。
堀川 達弥
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
俗称しみ。おもに30歳以後の女性の顔面、すなわち前額、頬骨(きょうこつ)(ほお骨)、鼻背(はなすじ)、口囲部などで左右対称性に生ずる色素斑。境界鮮明な褐色斑をいい、点状ないし斑状を呈する。病理組織学的には、表皮基底層におけるメラニンの増加が認められる。月経時や妊娠時に発生、増悪(ぞうあく)をみる例が多く、原因としては卵胞ホルモンなどの内分泌による影響が考えられている。治療としては、ビタミンCの内服、直射日光を避けることなどが行われるが、一般に難治である。しかし、ときに自然治癒もある。
[山田 清]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…顔面,とくに眼の付近の前額部,頰部などにみられる褐色ないし灰褐色の色素斑で,肝斑とも呼ばれるが,肝機能障害との関係はない。色素斑の境界は比較的鮮明で,種々の形をとるが,発赤,搔痒(そうよう)感(かゆみ)などの炎症症状を伴わない。…
※「肝斑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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