胃腸炎(読み)イチョウエン

デジタル大辞泉 「胃腸炎」の意味・読み・例文・類語

いちょう‐えん〔ヰチヤウ‐〕【胃腸炎】

胃腸炎症を起こし、腹痛嘔吐おうと下痢などの症状を呈する病気総称胃腸カタル

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胃腸炎」の意味・わかりやすい解説

胃腸炎
いちょうえん

胃腸のさまざまな炎症・疾患群について用いられる総称。胃や腸の急性炎症では、多くの場合両者が同時に存在して急性胃腸炎の形をとる。原因は食事の不摂生、大腸菌サルモネラ菌などいわゆる食中毒菌によるもの、ロタウイルスノロウイルスなどのウイルスによるもの、感冒気管支炎など腸管外感染水銀ヒ素、リンなどの中毒、寄生虫などの機械的刺激、腹部冷却、アレルギーなどである。症状は急激な悪心、嘔吐(おうと)で始まり、ついで多少激しい腹痛とともに、初めは悪臭ある不消化便、まもなく水様性下痢となり1日十数回に及ぶ。また頻回の嘔吐があり、初めは食物残渣(ざんさ)、のちには胆汁が混じる。発熱は一定しないが、細菌性のものでは高熱を発する。重症では脱水症となる。診断は症状から容易であるが、原因を明らかにすることはかならずしも容易でない。

 治療は、水分を十分に補給することが基本である。嘔吐や下痢が長引く場合は輸液、水分と電解質の補給を行う。症状の改善にしたがい流動食から普通食に移行する。脱水症には補液を行い、特定の細菌性のものには抗生物質を与える。

[増田久之・荒川弘道]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胃腸炎」の意味・わかりやすい解説

胃腸炎
いちょうえん
gastroenteritis

吐き気や嘔吐,腹痛,下痢など,ごく一般的な腹部症状を示す,予後のきわめてよい疾患に対して,いわば習慣的に付けられた病名。暴飲暴食や食品アレルギー,細菌やウイルスの感染が原因となる。胃炎と腸炎は,名称こそ独立しているが,臨床上は程度の差はあっても,ほとんどが同時に発症している。ことに幼児の場合は関連性が強いうえに全身症状も併発しやすいので,消化不良症と呼ばれる。

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栄養・生化学辞典 「胃腸炎」の解説

胃腸炎

 嘔吐,下痢,腹痛などがあって,特別に指定される疾患のない場合,そして予後も良好なものを一般にいう.

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