アメリカの詩人、小説家、批評家。エール大学教授。ケンタッキー州生まれ。バンダービルト大学在学中、南部の文化的自主性を主張する雑誌『フュージティブ』に参加、A・テート、J・C・ランサムらとともに活躍する。その後も、いくつかの大学教師のかたわら、季刊文芸誌『南部評論(サザン・リビュー)』を創刊、編集に力を尽くす(1935~1942)。『詩集』(1944)、『約束』(1957)、『新旧詩選』(1966)などの詩集、『覆面騎馬団』(1939)、『すべて王の臣』(1946)、『この世も時も』(1950)、『天使の群れ』(1955)、『洞穴』(1959)、『洪水』(1964)などの小説は強い倫理性と豊かな形而上(けいじじょう)学に支えられた作品であり、『人種差別』(1956)、『南北戦争の遺産』(1961)も優れたエッセイであるが、とりわけC・ブルックスと共編の詩華集『詩の理解』(1938)に始まる、作品の精密な分析の重要性を主張した革新的テキストは、その後の大学での文学教育に影響を与えた。
[原川恭一]
オーストラリアの病理学者。アデレード大学卒業後、王立病理医科大学の研究員を経て王立パース病院の病理医となった。ピロリ菌に関する一連の研究成果により、2005年、B・J・マーシャルとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。
1979年に胃潰瘍(いかいよう)患者の患部の組織を顕微鏡で調べていたところ、患者のほぼ半数の胃の幽門付近に螺旋(らせん)状の細菌が多数存在することを発見した。同僚のマーシャルとともに、この細菌と胃潰瘍の因果関係を調べるために細菌の培養にとりかかったが、この菌は増殖が遅い菌だったために最初はうまくいかなかった。1982年、たまたま復活祭の休暇で数日間放置していたら、増殖していたことに気がつき、「胃の幽門にいる螺旋状の細菌」という意味の「ヘリコバクター・ピロリ」と名づけ、マーシャルと共同で発表した。
この細菌が胃潰瘍を発症させるものと2人は予測し、1984年にマーシャルが自らピロリ菌を飲んで急性胃炎を発症させ、その患部からピロリ菌を発見して因果関係も立証した。それまで胃潰瘍は、胃酸過多やストレスなどが原因と考えられていたが、この発見によって胃潰瘍、胃炎、胃がんなどはピロリ菌の感染が原因とわかり、これらの病気の治療と予防に画期的な成果をもたらした。
[馬場錬成]
アメリカ合衆国司法官、政治家。1953年から1969年までの16年間、アメリカ合衆国最高裁判所長官を務め、この国の政治や社会に非常に大きな影響を与えた。その時期の最高裁をウォーレン・コートとよぶことがある。ロサンゼルスに生まれ、1914年カリフォルニア大学バークリー校を卒業後、弁護士実務などを経て、カリフォルニア州司法長官(1939~1943)、同州知事(1943~1953)を歴任した。ウォーレンは、最高裁長官就任の翌1954年に教育における人種差別を憲法違反とする判決(ブラウン対教育委員会事件判決)を下したのをはじめ、刑事手続における人権保障の強化、選挙における投票価値の平等化、公務員に対する批判の自由化等を図る判決を出して、大きな注目を集めた。ケネディ大統領の暗殺事件に関して、その調査を手がけたことでも知られている。その哲学はリベラルな司法積極主義とよぶことができる。1974年7月9日没。
[堀部政男]
アメリカ合衆国、ミシガン州南東部、デトロイト郊外の都市。人口13万8247(2000)。金属工業の中心地として知られるが、自動車車体、部品、エンジンなどの自動車関連工業や鉄鋼業なども盛ん。1837年に町がつくられ、1920年代に工業化、住宅地化が進んだ。さらに50年から60年までの10年間に急速な都市発展がみられ、人口は倍増した。ゼネラル・モーターズが燃料電池動力源の研究開発を行っている研究所の一つGAPC(GM代替動力源センター)がある。
[作野和世]
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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