タンペレ(読み)たんぺれ(英語表記)Tampere

デジタル大辞泉 「タンペレ」の意味・読み・例文・類語

タンペレ(Tampere)

フィンランド南西部の都市。水位の異なるナシ湖、ピュハ湖を利用した水力発電により、工業都市として発展ハメーンリンナまで続く湖沼地帯の観光航路の拠点として知られる。テーマパークサルカニエミほかタンペレ大聖堂ムーミン博物館などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タンペレ」の意味・わかりやすい解説

タンペレ
たんぺれ
Tampere

フィンランド南西部の都市。フィンランド湖水地方の西縁に位置し、内陸都市としては北欧最大である。スウェーデン名タンメルフーシュTammerfors。人口19万7774(2001)で、首都ヘルシンキエスポーに次ぎ同国第3位。町の起源は、二つの水位の異なる湖を隔てる大エスカー(堤防状の氷河地形)を切る急流を利用した18世紀以来の水車集落である。1819年にスコットランド人によって導入された紡績機械が、この集落をフィンランドにおける産業革命の最初の場所とした。水陸交通の便と水力発電が成長の要因である。沿岸工業都市が輸出向けの製材パルプ製糸などの工業に偏るのに対し、タンペレの工業は繊維機械皮革、食品、ゴム、ペイントなど、国内市場向けの最終製品が重要である。総合大学のほかに、宗教的、文化的施設も多い。

[塚田秀雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「タンペレ」の意味・わかりやすい解説

タンペレ
Tampere

フィンランド南部,首都ヘルシンキから北西170kmにある工業都市。人口20万3634(2005)。二つの湖にはさまれた地峡にある。北のナシ湖から18.6m低いピュハ湖に下るタンメルコスキ河畔に,1821年紡績工場ができた。これはフィンランド近代工業の誕生を意味するもので,その後次々と工場が建ち,19世紀末にはフィンランド第1の工業都市になった。商業と運送業も盛んである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンペレ」の意味・わかりやすい解説

タンペレ
Tampere

スウェーデン語ではタンメルフォルス Tammerfors。フィンランド南部,ヘメ県の都市。フィンランド第3の大都市。ヘルシンキから鉄道で北北西に約 160km,ネシ湖とピュヘ湖にはさまれた地峡上に位置し,両湖を結ぶタンメル川の急流が市を貫流している。文化,産業,商業の中心地。製紙,皮革,繊維,金属工業が発達。 1918年のフィンランド独立戦争では激戦地となった。 15世紀に建造されたメッスキュレの石の聖堂が残存するほか,フィンランド社会科学大学やビューニッキ野外劇場がある。人口 17万 4266 (1992推計) 。

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百科事典マイペディア 「タンペレ」の意味・わかりやすい解説

タンペレ

フィンランド南西部,湖沼地帯の中心にある工業都市。内陸交通の中心地で,豊富な水力を基盤に製紙,紡績,製靴,機械などの工業が行われる。1779年スウェーデンのグスタフ3世が建設。1918年4月フィンランド独立戦争勝利の地。トーベ・ヤンソンが書いた〈ムーミン〉の故郷としても知られる。21万5168人(2011)。

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