仁寿（読み）ジンジュ

デジタル大辞泉

じん‐じゅ【仁寿】

《「論語」雍也ようやの「仁者は寿いのちながし」から》仁徳があって命が長いこと。

にんじゅ【仁寿】

平安前期、文徳天皇の時の年号。851年4月28日～854年11月30日。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

じん‐じゅ【仁寿】

1. 〘 名詞 〙 ( 「論語‐雍也」の「知者楽、仁者寿」による語。仁徳のそなわった者は心静かな生活をおくっているから寿命の長いものが多いの意から ) 仁徳があって生命が長いこと。
   1. [初出の実例]「勧_二九農_一以有_二仁寿之喜_一」(出典：日本後紀‐弘仁五年（814）八月壬申)
   2. 「率土承_二凱楽之風_一。生民荷_二仁寿之賜_一」(出典：本朝文粋（1060頃）一一・観賜群臣菊花詩序〈紀長谷雄〉)
   3. [その他の文献]〔董仲舒‐賢良策〕

にんじゅ【仁寿】

1. 平安時代、文徳天皇の代の年号。嘉祥四年（八五一）四月二八日に改元、仁寿四年（八五四）一一月三〇日に斉衡(さいこう)と改められた。

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【仁寿】じんじゆ

心やさしく、長命。〔論語、雍也〕知は水を樂しみ、仁は山を樂しむ。知は動き、仁は靜かなり。知は樂しみ、仁は壽(いのちなが)し。

字通「仁」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

日本の元号がわかる事典

にんじゅ【仁寿】

日本の元号（年号）。平安時代の851年から854年まで、文徳(もんとく)天皇の代の元号。前元号は嘉祥(かしょう)。次元号は斉衡(さいこう)。851年（嘉祥4）4月28日改元。文徳天皇の即位と白亀・甘露の瑞祥が生じたことにより行われた（代始改元・祥瑞改元）。文徳天皇は、842年（承和(じょうわ)9）の承和の変後、廃位となった恒貞(つねさだ)親王に代わって、伯父の藤原良房(よしふさ)の推薦で皇太子になった。850年（嘉祥3）、仁明(にんみょう)天皇の崩御にともない即位した。

出典　講談社