一村または数村落の住民が放牧や薪(まき)、草、魚採取などのため共同で利用した林野、池水。入会地(いりあいち)ともいう。古代イタリアなどの都市国家では、国有耕地とは別に、農村部住民が共同地compascuaを共有した。古代ゲルマン人の間では、耕地を含むすべての農牧用地が共同地Markとして共有されたという学説(マルク共同体説)があったが、最近では、林野池水のみが共同地だったとの見解が優勢である。中世・近世の西洋の荘園(しょうえん)では、共同地は領主と農民共同体との双方による共有地として扱われたが、領主が農民から少額の共同地利用料を徴収した事例もある。フランスでは市民革命期に農民によって共同地が分割され、他の諸国でも近代に入って共同地は解消の傾向をたどった。
[橡川一朗]
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