動物相(読み)ドウブツソウ(その他表記)fauna

翻訳|fauna

精選版 日本国語大辞典 「動物相」の意味・読み・例文・類語

どうぶつ‐そう‥サウ【動物相】

  1. 〘 名詞 〙 ある地域に生息している動物の全種類。一定地域内でも特定環境季節によって陸生動物相・高山動物相、冬季動物相・夏季動物相などと分けることがあり、また、動物の部類によって鳥相・昆虫相などと細分することもある。ファウナ。

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改訂新版 世界大百科事典 「動物相」の意味・わかりやすい解説

動物相 (どうぶつそう)
fauna

フォーナまたはファウナともいう。分類学上の概念で,特定の地域に住む動物の種類構成をさす。生物相のうち動物のみを取り上げたものであるが,その生活環境は植物相基盤とするから,生態的には生物相として考えることとなる。そこで動物相は,その立場によって次のように分けることができる。(1)生態学的見方によるもの これはさらに,環境によるもの(森林動物相,砂漠動物相など)と季節によるもの(夏季鳥類相など)に分けられる。(2)分類学的な見方によるもの これはさらに,大区分によるもの(脊椎動物相など)と類別的なもの(鳥(類)相,昆虫相,チョウ相など)に分けられる。

 現在の動物相は,過去の気候陸地変動を通じて変遷してきたものであると同時に,環境の変化によって今後とも変遷を遂げる可能性をもつものである。そのような変遷の歴史とメカニズムを研究するのが動物地理学の課題である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「動物相」の意味・わかりやすい解説

動物相
どうぶつそう
fauna

ファウナ,フォーナともいう。特定の地域や水域にすむ動物の全種類。動物群について昆虫相,魚類相など,地域について日本の動物相,南極の動物相など,環境について森林動物相,土壌動物相,湖沼動物相など,生活様式について浮遊動物相,遊泳動物相などが区分される。地球上の特徴のある違った動物相をもつ区域動物区に区分する。動物群集が量的な集団であるのに対し,動物相は種を同定して決定される定性的な概念。植物相と合せて生物相 biotaを構成する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「動物相」の意味・わかりやすい解説

動物相
どうぶつそう

ある一定の場所あるいは一定の環境にすむ動物の全種類をいう。ファウナfaunaともいう。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「動物相」の意味・わかりやすい解説

動物相【どうぶつそう】

ファウナとも。特定の地域内に分布する動物の全種類をいう。特定の動物群について昆虫相,鳥類相など,また特定の場所について地中動物相,森林動物相などともいう。各大陸はそれぞれ地史,植物相,気候などに従って特徴的な動物相をもち,いくつかの動物地理区に区分される。

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世界大百科事典(旧版)内の動物相の言及

【生物相】より

…ある地方に生息する動・植物の種類組成をさす。動・植物に分けて動物相植物相,さらに類別して,鳥相,哺乳類相,昆虫相,あるいは環境別にとらえて,森林動物相,ブナ林鳥類相,また潮間帯生物相などと限定できる。生物相は,何が(種類),どこに(地理分布),どんな環境に(生態分布),どのくらい(密度,生物量)いるかを明らかにし,さらに食物連鎖などによる群集構造としての把握,その系列におけるエネルギーの流れ(群集経済),種間の社会関係(群集機能)などの分析に進むために不可欠の基礎データである。…

※「動物相」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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