生没年不詳。平安中期の女流歌人。本名仲子。平棟仲(むねなか)の娘、母は源正職女小馬内侍(こまのないし)。後冷泉(ごれいぜい)、後三条(ごさんじょう)、白河(しらかわ)、堀河(ほりかわ)の4朝に仕え、1093年(寛治7)「郁芳門院根合(いくほうもんいんねあわせ)」、95年(嘉保2)「鳥羽殿前栽合(とばどののせんざいあわせ)」、1102年(康和4)「堀河院艶書合(えんしょあわせ)」などに活躍。09年(天仁2)ごろ、ほぼ70歳で没したらしい。家集に『周防内侍集』があり、『後拾遺集(ごしゅういしゅう)』以下勅撰(ちょくせん)集に35首をとどめる。知的に洗練された詠風で即詠にも優れていた。
[犬養 廉]
春の夜の夢ばかりなる手枕(たまくら)にかひなく立たむ名こそ惜しけれ
『稲賀敬二「周防内侍伝記考」(『国語と国文学』1954.8所収・至文堂)』▽『上村悦子著『王朝女流作家の研究』(1975・笠間書院)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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