天地神明(読み)テンチシンメイ

デジタル大辞泉 「天地神明」の意味・読み・例文・類語

てんち‐しんめい【天地神明】

天地の神々。すべての神々。天神地祇ちぎ。「天地神明に誓う」
[補説]文化庁が発表した平成30年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方とされる「天地神明に誓って」を使う人が32.1パーセント、本来の言い方ではない「天地天命に誓って」を使う人が53.7パーセントという逆転した結果が出ている。→神明天命

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精選版 日本国語大辞典 「天地神明」の意味・読み・例文・類語

てんち‐しんめい【天地神明】

  1. 〘 名詞 〙 天地の神々。天神地祇
    1. [初出の実例]「天地神明を師友として、人の見聞及ばざる地、一念独知の所にをいて戒懼す」(出典:集義和書(1676頃)一〇)

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四字熟語を知る辞典 「天地神明」の解説

天地神明

天地の神々。

[活用] ―に誓って。

[使用例] その理由は申し上げられません。でも私は天地神明に誓って申しますわ。今夜壮士の乱入はございません[三島由紀夫鹿鳴館|1956]

[使用例] 今日腑分けを実見したことによって、おおよその人体内部の構造もうかがい知ることができたわけでござるが、この良き経験を生かして医業にはげみたきものです。さもなくば、医家として天地神明に申しひらきが立ちませぬ[吉村昭*冬の鷹|1974]

[使用例] 確かにゆうべ、まり姉さんの部屋に一泊させてもらった。でも悪さなんかしてない。天地神明にかけて、なんのまちがいも起こらなかった[佐藤正午*鳩の撃退法|2014]

[解説] 「天地神明に誓って潔白だ」などと使います。これは「天地および神に誓って」の意味なのか、「天地の神に誓って」の意味なのか、やや迷います。
 中国古典では、「天地」「神明」を並べて使うことがあります。「礼楽は天地の情から生まれて、神明の徳の領域に達する」(「礼記」楽記)というように。このことから、「天地神明」は「天地および神」の意味とも考えられます。
 一方、中国古典には「天地の神明」という表現もあります。「昔の王が天地の神明に仕えるときは、いつも占いを用いた」(「礼記」表記)というように。これは「天地の神」ということです。
 もっとも、中国古典での用法に、そこまでこだわる必要もありません。「天地神明」は主に日本語で使われる成句だからです。日本語の辞書は、どれも「天地の神々」と説明しています。
 日本には昔から、天にも地にも八百万やおよろずの神がいます。「天地神明」はその神々のイメージを踏まえたことばです。

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