娑羅双樹(読み)サラソウジュ

デジタル大辞泉 「娑羅双樹」の意味・読み・例文・類語

さら‐そうじゅ〔‐サウジユ〕【×娑羅双樹】

フタバガキ科の常緑高木。高さ約30メートルに及び、葉は光沢のある大きな卵形。花は淡黄色で小さい。材は堅く、建築・器具用。樹脂瀝青れきせいチャン)の代用となり、種子から油をとる。インドの原産。さらのき。さらじゅ。しゃらそうじゅ。
釈迦がインドのクシナガラ城外のバッダイ河畔で涅槃ねはんに入った時、四方にあったという同根の2本ずつの娑羅樹。入滅の際には、一双につき1本ずつ枯れたという。しゃらそうじゅ。
ナツツバキの俗称。

しゃら‐そうじゅ〔‐サウジユ〕【×娑羅双樹】

さらそうじゅ(娑羅双樹)

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精選版 日本国語大辞典 「娑羅双樹」の意味・読み・例文・類語

さら‐そうじゅ‥サウジュ【娑羅双樹】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] śāla から )
  2. フタバガキ科の常緑高木。インド北部原産で、日本では温室で栽培される。幹は高さ三〇メートルに達する。葉は互生し有柄の卵状楕円形で先はとがり長さ一五~二五センチメートル。葉柄の基部には托葉がある。葉腋(ようえき)に径約二センチメートルの淡黄色の五弁花を円錐状に多数集めてつける。果実には長さ五センチメートルぐらいの、萼が生長した翼が五枚ある。材は堅く、くさりにくく、インドの代表的有用材で、建築材、枕木橋梁カヌーなどに用いる。樹脂はサール‐ダンマーといい、ワニス硬膏の原料になる。釈迦が入滅した場所の四方に、この木が二本ずつ植えられていたという伝説からこの名がある。しゃらそうじゅ。さらのき。さらじゅ。さら。しゃら。しゃらじゅ。
    1. [初出の実例]「雪仏きゆる林やさら双樹〈元次〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)五)
  3. 植物なつつばき(夏椿)」の異名。〔日光山志(1825)〕

娑羅双樹の補助注記

「栄花」「平家」「平治」などでは「しゃらさうじゅ」とよんでいる。


しゃら‐そうじゅ‥サウジュ【娑羅双樹】

  1. 〘 名詞 〙さらそうじゅ(娑羅双樹)
    1. [初出の実例]「娑羅双樹(シャらサウジュ)涅槃の夕までのかたを書き現させ給へり」(出典栄花物語(1028‐92頃)音楽)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「娑羅双樹」の解説

娑羅双樹 (サラソウジュ・シャラソウジュ)

植物。ツバキ科の落葉高木,園芸植物。ナツツバキの別称

娑羅双樹 (サラソウジュ)

植物。インド原産の常緑大高木

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