宇倍神社(読み)うべじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「宇倍神社」の意味・読み・例文・類語

うべ‐じんじゃ【宇倍神社】

  1. 鳥取県鳥取市国府町宮下にある神社。旧国幣中社。武内宿禰をまつる。大化四年(六四八)創建と伝えられる。中世以降、武家の尊崇をうけた。因幡国一の宮。

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日本歴史地名大系 「宇倍神社」の解説

宇倍神社
うべじんじや

[現在地名]国府町宮下

宮下みやのした集落北側の山腹に鎮座する。旧国幣中社で、祭神は武内宿禰命。「延喜式」神名帳の法美ほうみ郡に名神大社として「宇倍ウベ神社」が載る。平安時代末から中世にかけては宇倍宮・一宮、江戸時代には国府一宮・一宮大明神などと称された。延暦三年(七八四)に成立したとされる伊福部臣古志(伊福部家文書)によると伊福部氏の一四代武牟口命が日本武尊の命で因幡国の討伐に下ったという。文亀三年(一五〇三)一二月成立の「延喜式神名帳頭註」所引の「因幡国風土記」逸文によれば、仁徳天皇五五年三月に因幡に赴き亀金かめがね(稲葉山の中腹、旧社地という)に「双履」を残して行方知れずとなった武内宿禰が「宇倍山」(稲葉山)の麓の当社に祀られたといい、本殿背後の小丘上には双履石そうりせきと称される二個の石がある。「続日本後紀」嘉祥元年(八四八)七月二七日条に、国府に火災があったとき霊験を示して鎮火したという理由で、無位の「宇倍神」が従五位下に叙され官社となったとある。宇倍神の神階は以後も上昇し、元慶二年(八七八)一一月一三日には正三位となっている(「三代実録」同日条)

承徳三年(一〇九九)二月、因幡守として任地に赴いた平時範は同月一五日に国府に到着すると、介久経を召して神拝の打合せを行い、「宇倍宮」の神馬に充てるため馬に潔斎させている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇倍神社」の意味・わかりやすい解説

宇倍神社
うべじんじゃ

鳥取市国府(こくふ)町に鎮座。武内宿禰命(たけのうちのすくねのみこと)を祀(まつ)る。創建年代不詳。848年(嘉祥1)従(じゅ)五位下を授けられ、官社に列し、のち昇格し、878年(元慶2)正三位(しょうさんみ)となる。延喜(えんぎ)の制で名神(みょうじん)大社、のち因幡(いなば)国一宮(いちのみや)。中世以降に武家が尊崇、近世には藩主池田氏が崇敬して神領30石を寄進した。明治の制で国幣中社となる。例祭4月21日の神幸祭には武者行列、奴(やっこ)の舞が列を連ね、当地方特有の麒麟獅子舞(きりんししまい)(県指定無形民俗文化財)が奉納される。本社後ろの亀金丘(かめがねのおか)は、祭神が当国へ下向のとき履(くつ)を残していった霊地と伝える。

[鎌田純一]


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改訂新版 世界大百科事典 「宇倍神社」の意味・わかりやすい解説

宇倍神社 (うべじんじゃ)

鳥取市に鎮座。武内宿禰(たけうちのすくね)命をまつる。本社うしろの亀金丘(かめがねのおか)は古墳とみられるが武内宿禰が当国へ下向のとき,二つの履をのこして身をかくしたところと伝承する。《続日本後紀》に848年(嘉祥1)7月,国府の西に失火のあったとき,国司の祈願で火のやんだ功で従五位下に叙し,官社に列したとあるが,以後昇叙し,878年(元慶2)正三位となり,延喜の制で名神大社,のち因幡国の一宮とされ,また総社も兼ねた。戦国末期に山名氏が崇敬して保護し,江戸時代には因幡藩主池田氏が保護,光政が30石の社領を寄進した。1871年(明治4)国幣中社となる。例祭4月21日。騏驎獅子が伝えられている。
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百科事典マイペディア 「宇倍神社」の意味・わかりやすい解説

宇倍神社【うべじんじゃ】

鳥取県岩美郡国府町(現・鳥取市)に鎮座。旧国幣中社。武内宿禰(たけうちのすくね)をまつる。仁徳天皇時代の創祀と伝える。延喜式内の名神大社とされ,因幡(いなば)国の一宮。例祭は4月21日(きりん獅子舞)。

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事典・日本の観光資源 「宇倍神社」の解説

宇倍神社

(鳥取県鳥取市)
鳥取県民の建物百選」指定の観光名所。

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