名神(読み)みょうじん

日本大百科全書(ニッポニカ)「名神」の解説

名神
みょうじん

日本の国内の神社のなかでも、とくに年代古く由緒も正しく、全国的にも霊験(れいげん)・崇敬が顕著で国家から特別の待遇を受けた神社をいい、一種の社格的な意味をもった。歴史的には、奈良時代中期に諸国の名神社に渤海(ぼっかい)の信物(しんもつ)を奉ったとあるのが初見で、その後平安初期より順次「名神」に列せられ、10世紀初めにまとめられた『延喜式(えんぎしき)』の制では、名神祭にあずかる神社として224社があげられている。国家の大事に際して奉(ほうべい)・祈請(きしょう)などが行われた。一例としては祈雨・止雨を祈る丹生川上(にうかわかみ)神社がある。

[牟禮 仁]

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精選版 日本国語大辞典「名神」の解説

みょう‐じん ミャウ‥【名神】

〘名〙 社格の一つ。昔、神社のうちで、尊崇が厚く特別の待遇に預るように選ばれた神々。延喜式神名帳には三〇六座、臨時祭式では二八五座を載せている。→明神(みょうじん)
※続日本紀‐天平二年(730)一〇月庚戌「奉渤海信物於諸国名神社

めい‐しん【名神】

名古屋神戸。名古屋地区と神戸地区。

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百科事典マイペディア「名神」の解説

名神【みょうじん】

神社の中で創祀も古く,霊験すぐれた神をいう。《延喜式(えんぎしき)》では285座を名神とする。のち次第に〈明神〉と記されることが多くなり,明神を神号として付したり,尊んで大明神と称することも行われた。

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デジタル大辞泉「名神」の解説

みょう‐じん〔ミヤウ‐〕【名神】

延喜式に定められた神社の社格で、名神祭にあずかる神社。年代が古く、由緒が正しく、崇敬の顕著な大社を選んだもの。名神大社

めい‐しん【名神】

名古屋と神戸。
名神高速道路

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世界大百科事典 第2版「名神」の解説

みょうじん【名神】

奈良・平安時代に諸国の神社のうち,特に由緒正しい神社の霊験にすぐれた祭神を名神と称した。《続日本紀》天平2年(730)10月29日条に,使者を派遣して渤海からの進物を諸国の〈名神社〉に奉らしめたとあるのが記録上の初見。《三代実録》貞観5年(863)3月4日条に,勅により〈七道諸国名神〉に幣を(わか)ったが,それは今春に風邪が流行して多数が死んだので,〈名社神明〉に禱(いの)ったところ効験があったからだとある。

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世界大百科事典内の名神の言及

【明神】より

…神の尊称の一つで,神威明らかな意。同音の名神に代わって9世紀半ばころから使われるようになったが,名神が《延喜式》臨時祭の条にいう名神祭にまつられる特定の神格に限っての称であるのに対して,明神号には祭祀上の限定はなく,近世には神祇伯を名のる吉田家が私に明神(または大明神)号を乱発するにいたっている。しかし記録の上では,《日本後紀》弘仁5年(814)9月15日条に豊稔を感謝して〈明神〉に奉幣したとあるのが初見で,その後《続日本後紀》承和10年(843)4月の条に山埼神が〈名神〉にあずかったとありながら,同15年(848)3月の条には同神を〈山埼明神〉と記しており,また嘉祥1年(848)11月の条には隠岐国伊勢命神がよく霊験を示すので〈明神〉に列せられたとあるなど,当初は従来の〈名神〉との混用があって同義であったらしい。…

※「名神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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