神戸市と徳島県鳴門市を淡路島経由でつなぐ神戸淡路鳴門自動車道の一部。建設費は約5千億円。明石海峡では1945年、播淡連絡汽船「せきれい丸」が沈没し、304人が死亡。55年に死者168人を出した宇高連絡船「紫雲丸」の沈没事故とともに、瀬戸内海沿岸の各地で橋を架けようとの運動が盛り上がったのが建設のきっかけになった。自動料金収受システム(ETC)搭載車の料金値下げなどで利用者が増加しており、2016年度の1日当たりの平均交通量は約3万7千台。
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神戸(こうべ)市垂水(たるみ)区舞子(まいこ)と淡路(あわじ)島の淡路市松帆(まつほ)の間、明石海峡に架かる長大吊橋(つりばし)。1988年(昭和63)着工、約10年の歳月を経て1998年(平成10)4月に完成。全長は、3911メートル、桁(けた)下の高さは高潮時海面上で65メートル、塔の高さは海面上297メートル、中央支間長(塔と塔の間)1991メートルで、これまで長大吊橋の代表であったイギリスのハンバー橋(1981完成、中央支間長1410メートル)にかわって世界一の長大吊橋となった。この明石海峡大橋の完成により本州四国連絡橋の神戸―鳴門(なると)ルートが全通した。このルートは、神戸西インターチェンジ(山陽自動車道と接続)から明石海峡を渡って、淡路島を縦貫し、鳴門海峡に架かる大鳴門橋を渡って徳島県の鳴門インターチェンジを結ぶ、延長89キロメートルの自動車専用道路である。これまで3時間以上要していた神戸―鳴門間が一気に1時間40分に短縮され、風波や濃霧等の気象条件にも左右されにくい交通軸が実現した。すでに最初のルートとして1988年に完成した児島(こじま)―坂出(さかいで)ルート(瀬戸中央自動車道)、1999年5月に全通した尾道(おのみち)―今治(いまばり)ルート(西瀬戸自動車道)とあわせて神戸―鳴門ルート(神戸・淡路・鳴門自動車道)の3ルートの開通により、本州と四国の多様なアクセスが可能となり、観光需要の増大、物流の発展、経済の広域化と活性化などが期待される。
[長瀬浩二]
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