普通預金(読み)フツウヨキン(その他表記)ordinary deposit

翻訳|ordinary deposit

デジタル大辞泉 「普通預金」の意味・読み・例文・類語

ふつう‐よきん【普通預金】

いつでも自由に預け入れや払い戻しができる預金

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精選版 日本国語大辞典 「普通預金」の意味・読み・例文・類語

ふつう‐よきん【普通預金】

  1. 〘 名詞 〙 銀行預金の最も基本的な形。低利だが、いつでも自由に預入れや払戻しのできるもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「普通預金」の意味・わかりやすい解説

普通預金
ふつうよきん
ordinary deposit

預入れや払戻しが自由な流動性の高い、典型的な要求払預金である。1回の預入れごとに各別個の預金債権が成立するのではなく、継続的な取引契約としての性質を有している。最低預入れ金額は1円以上で、利息は付利預金中もっとも低いが、決済用預金はペイオフ対象外で全額保護されるため、普通預金口座を特約により無利息とし、「決済用普通預金」または「普通預金無利息型(決済用預金)」とすることも行われている。

 普通預金には、通常の有通帳型普通預金のほかに無通帳型普通預金がある。有通帳型普通預金、無通帳型普通預金のどちらもが、「普通預金」、「普通預金無利息型(決済用預金)」の両方を取り扱い可能である。

 有通帳型普通預金では、通帳と届出印による払戻しが、長いこと実施されてきている。しかし、近年では、普通預金の払戻しのほとんどは、現金自動預金支払機(以下ATMという)や現金自動支払機(以下CDという)を使用して、キャッシュカード暗証番号またはログイン・パスワードにより行われている。

 無通帳型普通預金の取引は、金融機関所定のネットワークに接続できるパーソナルコンピュータ(以下PCという)、携帯電話機、提携金融機関のATMやCDにより行われる。預金の受入れは、ATMからの現金受入れ、内国為替による振込金の受入れ、当該金融機関支店に開設されている他の本人口座からの振替えなどによる。預金の払戻しは、ATMやCDからの現金支払い、PC、携帯電話による当該金融機関または他金融機関の本人または他人宛(あ)ての振込み、公共料金や授業料などの口座振替などにより実施される。

 払戻しの際の本人確認については、暗証番号とキャッシュカードによるほか、指静脈認証、手のひら静脈認証機能などを併用する方法がある。

 付利は、毎日の最終残高1000円以上について付利単位を1円あるいは100円などとして、金融機関所定の普通預金利率変動金利によって計算のうえ、毎年2回、2月と8月あるいは3月と9月の金融機関所定の日に預金に組み入れるのが通常である。その場合、特約により、決済用についての無利息型普通預金や金融機関によっては残高別金利型普通預金などを利用できることがある。

[太田和男]

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改訂新版 世界大百科事典 「普通預金」の意味・わかりやすい解説

普通預金 (ふつうよきん)

銀行預金の一種要求払預金の典型的なもので,いつでも,いくらでも自由に預入れ,払出しができる。そのため,利率は無利息の当座預金を除き最も低くなっている。個人給料振込みの受皿,公共料金,クレジット代金の引落し口座等として,財布がわりに幅広く利用し,企業は売上代金の入金,仕入代金の支払口座等として利用している。預入れは銀行の店頭,または機械で,全店どこでも可能である。払出しは上記のほかに,オンライン提携のある銀行間では,他行の機械でも可能となっている。この普通預金と定期預金を1冊の通帳にセットし,定期預金を担保に普通預金の残高がなくても自動的に融資(払出し)が受けられるのが総合口座で,現在では,個人の場合は,その利便性から,この総合口座にセットされている普通預金を利用することが多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「普通預金」の意味・わかりやすい解説

普通預金
ふつうよきん
ordinary deposit

顧客が自由に預け入れ,払出しのできる預金で,要求払預金の一種。きわめて簡便であるから一般大衆の家計用・貯蓄用の預金として,あるいは当座預金取引のない中小企業が営業用出納預金として広く利用しており,大企業が一時的な余裕資金を運用するために使うこともある。また近年行われるようになった給与振込制度や各種公共料金の支払いをするための口座振替などにもこの普通預金口座が利用されている。またこの普通預金には利用者の便宜を考慮して同一金融機関の本支店全店で預け入れ,払戻しができるもの (全店払普通預金) ,さらにカードを利用して提携金融機関とも取引できるものがあり,またこの普通預金を基本にして定期預金,口座振替,貸付など総合的に利用できる総合口座も普及している。

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百科事典マイペディア 「普通預金」の意味・わかりやすい解説

普通預金【ふつうよきん】

預入・払出が預金通帳,カードによって随時行われる預金。個人の簡易な貯蓄や中小企業の支払準備金等のために利用。中小企業では手許金の一部を預け入れており,当座預金的な性格もある。銀行にとって定期預金に次ぐ安定した資金源である。
→関連項目預金

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世界大百科事典(旧版)内の普通預金の言及

【郵便貯金】より

…郵便局で取り扱う,小口の個人貯蓄を目的とした国営貯金事業であり,次の6種類のものがある。(1)通常郵便貯金 随時に任意の金額を預入れ,払戻しできるもので通常貯金と通称(銀行の普通預金に対応),(2)積立郵便貯金 据置期間を2年間とし,その間毎月1回の収金に応じて一定金額を預入れするもの(同,積立定期預金),(3)定額郵便貯金 6ヵ月の据置期間があり,預入れ金を分割して払い戻さない条件で,一定の金額を一時に預入れするもので定額貯金と通称,(4)定期郵便貯金 一定の預入れ期間(6ヵ月と1年)があり,その期間内には払戻しをしない条件で,一定の金額を一時に預入れするもので定期貯金と通称(同,定期預金),(5)住宅積立郵便貯金 自己の居住用住宅の建設または購入のために,住宅金融公庫等から資金の貸付けを受け,かつ必要な資金を貯蓄する目的で,一定の据置期間(3~5年)を定めて,一定の金額をその期間中毎月1回預入れするもの,(6)進学積立郵便貯金 貯金者またはその親族の進学につき,国民金融公庫等から進学資金の貸付けを受け,かつ必要な資金を貯蓄する目的で,一定の据置期間(1~3年)を定めて,一定の金額をその期間中毎月預入れするもの,である。主力は定額貯金である。…

【預金】より

…営業(性)預金とは,企業または個人がその営業資金の出納を銀行に代行させるために預け入れるもので,出し入れが頻繁で,出納預金とも呼ばれ,おもに当座預金がこれに該当する。所得預金は,個人所得者が日常の収入金や一時的な余剰金をいちおう預け入れ,必要のつどこれを払い出していくもので,普通預金が主としてこれにあたる。貯蓄(性)預金とは,当初から貯蓄または利殖の目的で一定期間預け入れるもので,その典型は定期預金であり,定期積金もこれに入る。…

※「普通預金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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