明治〜昭和期の詩人
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
詩人,歌人。茨城県の生れ。本名は虎寿,別号宝湖(ほうこ)。長塚節(たかし)の生家と姻戚にあたる豪農の次男に生まれたが,幼少時に佝僂(くる)病の身となり,生涯常人の知らぬ苦悩と試練を味わう。そのぶん詩だけが彼には救いであり,その不幸が《夕月》(1899),《花守(はなもり)》(1905),《二十八宿》(1907)などの個性的な名詩集を生み,《死のよろこび》(1915)の悽愴な歌集となった。おもに河井酔茗らの雑誌《文庫》に拠って詩風を形成したが,彼の詩はすぐれて独創的であり,かつ多彩,自然や人間を歌っても作者の内面の投影が見られる。ことに民謡詩風のものに秀作が多く,筑波根(つくばね)詩人と呼ばれて一般に愛唱もされ,その俚謡性は野口雨情,北原白秋,室生犀星らに影響を与えた。幼時より独学で古典に親しみ,詩歌実作のほか研究著作,随想集もあり,かつ不自由な体で郷土の自然を守る社会活動,地方文化の指導者としての功績も大きい。
執筆者:原 子朗
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詩人。本名虎寿(とらひさ)。別号利根丸(とねまる)、宝湖(ほうこ)。茨城県真壁郡大宝村(現下妻市)に生まれる。幼時、脊椎(せきつい)を患い、くる病の苦しみにさいなまれながら詩作を続け、『文庫』に『神も仏も』『お才』『やれだいこ』など民謡調の秀作を発表、河井酔茗(すいめい)、伊良子清白(いらこせいはく)とともに『文庫』三詩人の一人といわれた。1907年(明治40)酔茗主宰の詩草社に参加、また『女子文壇』の新体詩欄選者、『いはらき』紙(現『茨城新聞』)の短歌欄選者となって後進の指導にあたり、晩年は明治初期の史実編纂(へんさん)に及んだ。その詩風は七五調の定型を基礎とし、自身の境涯の哀感を歌い上げて独自の作品を残した。詩集『夕月』『花守』『二十八宿』、歌集『死のよろこび』のほか、『夜雨集』『明治初年の世相』『天狗(てんぐ)騒ぎ』『太政官時代』などがある。
[近藤信行]
『横瀬隆雄著『横瀬夜雨・生涯と文学』(1966・夜雨記念会)』▽『『明治文学全集59 横瀬夜雨他集』(1969・筑摩書房)』▽『『横瀬夜雨複刻全集』全五巻(1974・崙書房)』
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