無念無想(読み)ムネンムソウ

デジタル大辞泉 「無念無想」の意味・読み・例文・類語

むねん‐むそう〔‐ムサウ〕【無念無想】

仏語。一切の想念を離れること。無我境地に入り、無心になること。
しっかりした考えを持っていないこと。思慮のないこと。
「―の下部ども」〈浄・百合若大臣
[類語]無心無我無私滅私虚心虚心坦懐純粋無欲

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精選版 日本国語大辞典 「無念無想」の意味・読み・例文・類語

むねん‐むそう ‥ムサウ【無念無想】

〘名〙 (形動)
① 仏語。無我の境地にはいり、一切の想念を離れること。また、そのさま。無念相。
浮世草子傾城禁短気(1711)六「ただ夢の浮世に無念無想(ムネンムサウ)にして、遊ぶ所が極楽々々」
② 何の考えもないこと。思慮のないこと。また、そのさま。
浄瑠璃・百合若大臣野守鏡(1711頃)四「むねんむさうの下部共」

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四字熟語を知る辞典 「無念無想」の解説

無念無想

無我の境地に入って、何も考えないこと。

[使用例] 私は満員電車の中で、じっと忍耐して、無念無想で立ちつくしていた[田辺聖子休暇は終った|1976]

[使用例] ただ無念無想で、心中に湧き出す不安と闘っていた[有吉佐和子*助左衛門四代記|1963]

[解説] 「無念」は本来は仏教語で、私心妄念を取り去り、無我の境地に入った状態をさします。「無想」は何も思わないこと。

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