生体認証(読み)セイタイニンショウ(英語表記)biometric authentication

デジタル大辞泉 「生体認証」の意味・読み・例文・類語

せいたい‐にんしょう【生体認証】

身体的特徴により本人確認をする技術。指紋認証声紋認証虹彩認証静脈認証などがある。バイオメトリックス認証バイオ認証。生物学的認証。

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共同通信ニュース用語解説 「生体認証」の解説

生体認証

顔や指紋、静脈といった本人の身体的な特徴を使って同一人物かどうかを確認する手法。顔認証では目や鼻、口などの位置や大きさを、事前に撮影した画像と比較して照合する。本人だけが持つ特徴を使って認証するため、なりすましや偽造が難しく、安全性が高いとされる。顔認証は空港での出国・帰国手続きや米アップルのスマートフォンiPhone(アイフォーン)」などで採用されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「生体認証」の意味・わかりやすい解説

生体認証
せいたいにんしょう
biometric authentication

個々人で異なる身体的・行動的特徴などを利用して本人であることを確認する機能。バイオメトリックス認証biometrics authenticationともよばれる。指紋、掌紋、瞳(ひとみ)の虹彩模様、顔の輪郭、目や口の位置、静脈パターン、声紋などの身体的特徴や、筆跡、キーボードの打ち方、歩き方などの行動の癖を利用して個人を識別する。画像処理によって測定・分析した身体的・行動的特徴情報を事前に登録し、カメラなどで読み取った情報と照らし合わせて本人かどうかを確認する場合が多い。いずれも認証精度が高く、偽造されにくいとされる。パスワードやICカードのように忘却、紛失、盗難のおそれもない。しかしシリコン製偽造指や人工知能AI)による加工音声を使った犯罪が起きるなど、「なりすまし」によってひとたび生体認証が成立してしまうと、以降の安全性を回復できないリスクもある。

 記憶容量が大きいICチップの実用化によって普及に弾みがつき、2001年のアメリカ同時多発テロ以降、厳密な本人確認が必要な空港や原子力発電所などで導入の動きが広がった。カメラ搭載型スマートフォンの普及や人工知能(AI)・暗号技術の発展に伴い、暮らしの至る所で実用化されている。スマートフォンやパソコンへのログイン、ネットワークへのアクセスや情報検索、家電・ゲーム機・室内装置の操作、企業・工場・研究施設などの入退出・勤怠管理、列車・自動車・航空機などへの乗車搭乗レジャー・商業施設への入場、インターネット決済、防犯カメラ、科学捜査、ネット投票、献血、入国審査、国民識別番号など本人確認が必要な幅広い場面で利用されている。互換性のない認証技術が乱立するのを防ぐため、国際非営利団体FIDO(ファイド)アライアンス(Fast Identity Online Alliance)が2012年に発足し、世界のほとんどのIT企業が参加して、公開鍵(かぎ)暗号方式に基づく秘密鍵と生体認証などを組み合わせた認証モデルを標準化し、パスワード不要の認証技術の普及を後押ししている。

[矢野 武 2024年6月18日]

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百科事典マイペディア 「生体認証」の意味・わかりやすい解説

生体認証【せいたいにんしょう】

指紋や眼球の虹彩,手のひらの静脈模様など,身体的特徴としての生体情報を個人の識別に利用する方法。バイオメトリクスとも。暗証番号やパスワード,磁気カードなどに比べて紛失・盗難や偽造の危険性は少ないが,認証精度や費用などの課題がある。この技術の実用化が進んだ背景には,個人情報の漏洩やスキミングカード犯罪サイバー犯罪),さらにテロなどへの防犯・安全対策の高まりがある。指紋認証は病院や企業の研究所など建物への出入り管理,パソコンやネットワークの利用管理などで使用されている。NTTドコモは2003年春発売の携帯電話に指紋認証を搭載し,東京三菱銀行は富士通が開発した静脈認証のATM(現金自動預入支払機)を2004年9月から導入した。米国では2001年の9.11事件を受けて2004年から生体認証を用いた新たな出入国管理システムが導入されており,日本でも2006年にICチップ付きの旅券が導入された。
→関連項目預金者保護法

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知恵蔵 「生体認証」の解説

生体認証

ユーザー認証が必要なシステムで、本人確認のために人体の特徴を利用するもの。他者と一致せず、変化や偽造がしにくいことが求められ、指紋、手のひらや指の静脈、眼球の虹彩などが用いられている。指紋認証はパソコンにもセンサーが搭載されて利用が広がっているほか、銀行のATM(現金自動出入機)では手のひらや指の静脈認証が利用可能になっている。人体の特徴を利用するため「なりすまし」が不可能である反面、特徴の読み取り精度が万全とは言えず読み取りエラーが起きることがある。キャッシュカードの場合、規格が統一されていないため利用可能なATMが制限される、費用がかかるなどの課題がある。また、身体的特徴をデータとして金融機関などに登録すること自体に抵抗感を持つ人も多い。

(斎藤幾郎 ライター / 2009年)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「生体認証」の解説

生体認証

網膜、指紋、静脈、人相といった各個人固有の身体的特徴をもとに本人を確認する認証技術で、バイオメトリクスともいわれる。パスワードや鍵といったものがないため、盗聴やなりすましが事実上不可能で、現時点ではもっとも確実な認証方式である。以前は、こうした生体認証装置が高価だったため、極めて高度なセキュリティーを要求される機関や団体での利用に限られていたが、最近では低価格化が進み、広く採用されている。特に、指紋認証やカメラを使った顔認証機能は、通常のノートパソコンやPDAなどに搭載されるようになった。高いセキュリティーを確保できるだけでなく、OSへのログオンやアプリケーションへのログインなどが簡単に行える、というメリットがある。

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IT用語がわかる辞典 「生体認証」の解説

せいたいにんしょう【生体認証】

特定の個人を認証する方式のひとつ。画像認識技術を利用して、指紋・虹彩・手のひらの静脈などのパターンによって個人を認証する。◇「バイオメトリクス認証」「バイオ認証」ともいう。

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