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漫画家。本名高見沢仲太郎。東京に生まれ,日本美術学校を卒業,前衛画家を志すが挫折し,一時は生活のために落語の台本を書いていた。1931年から講談社の《少年俱楽部》に《のらくろ》を連載。擬人化した犬を主人公として,犬の軍隊での出世物語を描いたもので,軍国の世相を反映しながらも風刺の笑いがこめられ人気を博し,単行本も大ベストセラーとなった。また《蛸(たこ)の八ちゃん》(1931,《婦人子供報知》),《凸凹黒兵衛》(1933,《婦人俱楽部》)も人気を得た。第2次大戦下には一時休載を余儀なくされた《のらくろ》も戦後続編を執筆,72年に全15巻が完結した。弟子に長谷川町子,滝田ゆうがいる。手塚治虫も少年時代,《のらくろ》に大きな影響を受けた。
執筆者:清水 勲
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画家、漫画家。本名は高見沢仲太郎。筆名は、本姓をもじって田河水泡(たかみさわ)と書き、のちに田河水泡(たがわすいほう)と読むことにした。東京の本所に生まれ、私立日本美術学校を卒業。前衛美術運動MAVOに参加したが、生計のため『少年倶楽部(くらぶ)』に子供向きの物語漫画『のらくろ』を連載、これが人気を得て漫画家となった。のら犬の黒吉が軍隊に入り、失敗を重ねながらも進級していくという筋の『のらくろ』(全10冊)は、日本における物語漫画の確立作とされている。そのほか『蛸(たこ)の八ちゃん』『凸凹(でこぼこ)黒兵衛』などの作品もある。
[上笙一郎]
『『のらくろ漫画全集』全10巻(1969・講談社)』▽『『続のらくろ漫画全集』全五巻(1979~81・講談社)』▽『田河水泡著『のらくろ自叙伝』(1976・光人社)』▽『高見沢潤子著『のらくろひとりぼっち』(1983・光人社)』
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…福岡県に生まれる。1934年田河水泡に師事し,翌年から《少女俱楽部》に漫画を寄稿,40年から3年半にわたって同誌に〈仲良し手帖〉を連載した。第2次大戦後の46年5月から《夕刊フクニチ》に代表作《サザエさん》を連載,49年12月から《朝日新聞》に移り,74年まで連載した。…
※「田河水泡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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