経済成長率(読み)ケイザイセイチョウリツ

デジタル大辞泉 「経済成長率」の意味・読み・例文・類語

けいざいせいちょう‐りつ〔ケイザイセイチヤウ‐〕【経済成長率】

一定期間(四半期または1年間)に経済規模が拡大する割合。国民総生産または国民所得の実質値の伸び率で表す。→実質経済成長率実質国民所得

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「経済成長率」の解説

経済成長率

国の経済が一定期間にどれだけ伸びたのかを示す指標。国内でつくり出されたモノやサービスの付加価値の合計額である国内総生産(GDP)の増減率を指す。そのまま計算する名目と、物価変動の影響を除いた実質がある。景気拡大・後退期間の正式な判定ではGDPそのものではなく、生産、消費雇用など景気に敏感に反応する9指標の変化を中心に分析する。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「経済成長率」の意味・読み・例文・類語

けいざいせいちょう‐りつ‥セイチャウ‥【経済成長率】

  1. 〘 名詞 〙 一定期間(ふつう一年)に一国の経済規模が拡大する割合。測定尺度として、一般に国内総生産が用いられる。
    1. [初出の実例]「政府が有効需要を操作して、適正な経済成長率へ誘導していくというケインズ的政策が」(出典:現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉I )

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「経済成長率」の意味・わかりやすい解説

経済成長率 (けいざいせいちょうりつ)

ある経済の総体としての規模の成長率経済成長率と呼ぶ。経済の規模の指標としては通常,実質国民総生産GNP)あるいは実質国内総生産(GDP)が使われる。たとえば1995年度の日本経済の実質国民総生産の成長率は2.5%であった。これは,1995年度の実質国民総生産が1994年度のそれに比べて1.025倍になったということである。このように経済成長率は前年(度)比で示されることが多いが,国民総生産のデータは四半期ごとに発表されるので,対前四半期の経済成長率も用いられる(アメリカなどではこの傾向がとくに著しい)。一般に経済成長率のデータをみるうえでの注意は,それが長期的な経済成長に対応する部分と短期的な景気循環に対応する動きとの両方を含んでいるということである。5年なり10年なりの平均の成長率をみれば,その期間の経済成長の速度がわかろうし,短期的に不況にさしかかる際には平均の成長率よりも低い経済成長率が,不況からの回復の過程では平均よりも高い成長率が観察されるのが普通である。ある経済のマクロパフォーマンスを表すのに最もよく用いられるのが経済成長率であるが,経済成長率が高いからといって国民の厚生水準の伸び率が高いとは必ずしもいえない。投資が消費に比べて高い率で成長しているかもしれないし,国民総生産等に含まれない経済活動,またインフレーション,所得の分配等の問題にも注意を払うべきだからである。
経済成長
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「経済成長率」の意味・わかりやすい解説

経済成長率【けいざいせいちょうりつ】

国民経済の拡大を実物面(財貨・サービス)でとらえたものが経済成長であり,経済成長率はふつうGDP(国内総生産)または実質国民所得(国民所得)の年間増加率で表される(実質成長率)。実質国民所得の成長率は,就業人口の増加率と1人当り実質所得の増加率から構成されるが,1人当り実質所得の成長を経済進歩ともいう。
→関連項目高度経済成長国民総生産ファンダメンタルズ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済成長率」の意味・わかりやすい解説

経済成長率
けいざいせいちょうりつ
economic growth rate

一定期間における国民経済の規模が拡大する速度。通常は国民総生産 GNPまたは国民所得 (→国民可処分所得 ) の年間 (ないしは年度間) の増加率で表わす。経済成長率は名目 (時価表示) と実質 (一定時点の不変価格表示) の2通りの表示法があるが,物価変動を除去した実質成長率を採用するのが普通。たとえば日本の経済成長率何%という場合,実質国民総支出 (国民総生産) の対前年度増加率をもって表わす。また比較的長期間 (5~10年) にわたる経済計画などで用いられる経済成長率は,同期間内の上記伸び率を複利で計算する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

知恵蔵 「経済成長率」の解説

経済成長率

国内総生産(GDP)などで測った一国の経済規模が一定期間に変化した率。時価評価の名目GDPを用いた名目経済成長率と物価変動の影響を除いた実質GDPを用いた実質経済成長率があり、景気あるいはマクロ経済の最も重要な指標。単に経済成長率という場合は実質経済成長率を指すことが多い。経済成長率などから日本の経済発展過程を、戦後10年の「復興期」、2桁成長を続けた1960年代の「高度成長期」、石油危機以降70年代後半からの「安定成長期」、バブル崩壊後の「長期低迷期」などに分けることもある。

(本庄真 大和総研監査役 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

FX用語集 「経済成長率」の解説

経済成長率

景況がどれだけ上向いたかの割合。多くの場合、GDPの成長率が経済成長率のバロメーターとして扱われております。

出典 (株)外為どっとコムFX用語集について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android