福井県中西部、若狭(わかさ)湾の東端にある岬。丹生(にゅう)山地が海に入る小突角で、安山岩、礫(れき)岩に凝灰岩の混じった地層が100メートル前後の断崖(だんがい)となり、その上の段丘面に灯台が立つ。付近には呼鳥(こちょう)門、玉川洞窟(どうくつ)観音など奇岩や洞窟が多く、越前加賀海岸国定公園の観光の一中心となっている。JR福井駅・武生(たけふ)駅から定期バスが走る。南の玉川には1965年(昭和40)温泉が掘られ、観光拠点としての期待が高い。また、丹後(たんご)半島沖から直進してきた対馬(つしま)暖流がこの付近に突き当たって若狭湾内に時計回りの分流を生む。このため冬も温暖で、早咲きのスイセン(開花期は12月下旬~1月)で知られ、越前ガニ(漁期は11月中旬~1月末)とともに名物となっている。
[島田正彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…越前の海岸という一般的な呼称にもとれ,その範囲は必ずしも明確でない。狭義には,1957年に県立自然公園となってから脚光を浴びた越前岬付近の海岸を指すものとして定着しかけたが,越前加賀海岸国定公園(1968指定,敦賀市杉津(すいづ)から石川県加賀市尼御前(あまごぜ)岬まで)の福井県側をいう場合もある。広義の越前海岸も中心は越前岬付近であり,越前町四ヶ浦地区梅浦から福井市鷹巣地区川尻間は定期観光バスのコースで,特に観光客が多い。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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