類聚歌林(読み)ルイジュカリン

デジタル大辞泉 「類聚歌林」の意味・読み・例文・類語

るいじゅかりん【類聚歌林】

奈良時代歌集山上憶良編。成立年未詳。万葉集編纂へんさん資料として用いられたが、現存しない。

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精選版 日本国語大辞典 「類聚歌林」の意味・読み・例文・類語

るいじゅかりん【類聚歌林】

  1. 奈良前期の私撰集。山上憶良編。成立年未詳。書名から、部類別に集録したものと思われ、「正倉院文書‐写私雑書帳(天平勝宝三年)」に「歌林七巻」とある「歌林」が本書とすれば、七巻であったか。「万葉集」編纂の資料の考証に用いられ、巻一・二・九の左注に引用されている。「麗景殿女御歌合」「袋草子」「八雲御抄」などに名がみえるが、早く散逸

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改訂新版 世界大百科事典 「類聚歌林」の意味・わかりやすい解説

類聚歌林 (るいじゅうかりん)

奈良朝初期の歌書。万葉歌人山上憶良東宮(のちの聖武天皇)に進講する目的で古今和歌に制作事情の解説を付し,中国の《芸文類聚(げいもんるいじゆう)》にならって編纂したものか。《万葉集》巻一・二・九の9ヵ所にわたる引用記事によって片鱗がうかがえる。市原王書写の歌林7巻,用紙128張との記録(正倉院文書)もあり,《袋草子》《八雲御抄》などに法成寺また平等院に蔵すると記録されているが,今は伝わらない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「類聚歌林」の意味・わかりやすい解説

類聚歌林
るいじゅうかりん

山上憶良(やまのうえのおくら)編の歌集。平安時代末ごろまでは伝わっていたようだが(『八雲御抄(やくもみしょう)』など)、現在は『万葉集』に作者や作歌事情に関する参考資料として引用されている断片的な文章が九か所に残っているのみなので、全容は不明。成立は、憶良が皇太子(後の聖武(しょうむ)天皇)の侍講者となった721年(養老5)以後数年の間か。巻数不明。「歌林七巻」(正倉院文書)が本書なら七巻となる。なんらかの基準による分類が施され『日本書紀』『風土記(ふどき)』その他の文献を使って作歌事情を考証している。収録歌は『万葉集』でみる限りでは天皇・皇族の歌や行幸従駕(ぎょうこうじゅうが)歌などの宮廷関係歌、作者名も公的作者名を記す。そこで皇太子献上用の書とする説もある。

[遠藤 宏]

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