三ツ城古墳(読み)みつじょうこふん

国指定史跡ガイド 「三ツ城古墳」の解説

みつじょうこふん【三ツ城古墳】


広島県東広島市西条中央にある古墳。西条盆地南縁の丘陵端部にある、広島県最大の前方後円墳(第1号古墳)。全長約92mの3段築成で、前方部幅約67m、高さ約11m、後円部径約62m、高さ約13m、斜面は葺石(ふきいし)でおおい埴輪(はにわ)をめぐらし、東西に造り出しがある。後円部頂上には箱形石棺3基の埋葬施設が確認され、そのうち2基は石で槨(かく)を組んだもの。鏡、刀・剣などの鉄器類、銅釧(どうくしろ)、玉類などが出土し、埴輪は円筒埴輪のほか、鶏・武具・家などの形象埴輪があり、造り出しからは土師器(はじき)、須恵器(すえき)類が出土した。後円部の南側に直径約25mの円墳(第2号古墳)があり、第2号古墳の周濠には楕円形の墳丘をもつ第3号古墳がる。古墳時代中期(5世紀)に築かれ、被葬者は安芸南部を中心とした首長と考えられている。1982年(昭和57)に国の史跡に指定され、2001年(平成13)に指定地域が追加された。2009年(平成21)には、出土した須恵器の研究から、第1号古墳の築造年代が412年ごろであるとする見解が発表された。古墳が築かれた実年代がほぼ確定するのは全国で初めて。古墳は歴史公園として復元・整備されている。JR山陽本線西条駅から芸陽バス「中央図書館前」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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