翻訳|Galicia
スペイン北西端の地方。ラ・コルニャ,ルーゴ,オレンセ,ポンテベドラの4県からなる。花コウ岩質の険しいガリシア山塊は,最高峰マンサネダ山(1178m)を起点に,幾重にも山並みが放射状に広がる。大西洋気候のため温暖であるが,内陸部の冬は厳しい。スペインで最も多湿な地方で,サンチアゴ・デ・コンポステラはイベリア半島で最大の降雨量(年2000mm)を記録。主要産業は農業である。山岳地形のわりに多くの人口をかかえるため,農地は〈ミニフンディオ〉と呼ばれる細分割地からなり,生産性は低い。畜産・酪農が盛んで,養豚はスペイン最大である。大西洋とカンタブリア海の海岸は無数の入江で形成され,天然の漁港に恵まれて,全国漁獲高の25%以上を占める。ガリシアは前6世紀ケルト人が植民し,スペインで最もケルト的要素が強く残っている。ゲルマン系のスエビ人が5世紀に侵入し独立王国を築いたが,6世紀後半西ゴート王国に併合された。730年にイスラムの侵攻の波がガリシアにまで及んだが,再征服にいち早く着手していたアストゥリアス王国に吸収され,12世紀末にサンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼が開始された。18世紀末の通商の自由が確立されて以来,ラ・コルニャが植民地貿易に加わり,同時にガリシア人のアメリカへの移民が始まった。今日のガリシア語は11世紀にこの地方で成立したロマンス語に由来し,それから派生したのがポルトガル語である。
執筆者:岡住 正秀
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
スペイン北西部の地方。ポルトガル語と起源を同じくする固有言語ガリシア語を有す。中心都市サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂へは,中世にヨーロッパ各地から多くの巡礼者が訪れた。零細な土地所有を特徴とする貧しい農村地域で,18世紀に国内唯一の市場向け亜麻織物の産地となるが,19世紀に工業化は挫折し,多くの移民を国内外に送り出した。民主化後,カタルニャやバスク地方とともに「歴史的自治州」として自治権を獲得。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新