冥利(読み)ミョウリ

デジタル大辞泉 「冥利」の意味・読み・例文・類語

みょう‐り〔ミヤウ‐〕【冥利】

仏・菩薩ぼさつが人知れず与える利益りやく
知らず知らずの間に神仏から受ける利益恩恵。また、善行の報いとして受ける幸福。「冥利がいい」
ある立場にいることによって受ける恩恵。「役者冥利」「男冥利
職業身分を表す語の下に付けて、それにかけて誓うという意を表す。
「今は粉屋孫右衛門、商ひ―、女房限ってこの文見せず」〈浄・天の網島
[類語]幸福幸せさいわさち果報多幸多祥たしょう万福ばんぷく至福浄福清福福福大福ハッピー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「冥利」の意味・読み・例文・類語

みょう‐り ミャウ‥【冥利】

〘名〙
① 仏語。仏菩薩が知らず知らずの間に与える利益。〔法華玄義‐七下〕
② 転じて、人が知らず知らずの間に、神仏や他人などから与えられる福利・恩恵。
※仮名草子・竹斎(1621‐23)下「竹斎これを見るよりも、みゃうりのためと思ひつつ、薬を少し与へけり」
③ ある状態であることによって、おのずから受ける恩恵。「商売冥利」「男冥利」など。
浄瑠璃・百合若大臣野守鏡(1711頃)二「駕籠舁みゃうりに叶うた」
④ 身分、職業などを表わすことばの下に付けて、「自分の身分・職業にかけて」と誓いの意を示すのに用いる。
※浮世草子・好色二代男(1684)二「其家の姉女良のまねをするにや、聞とがむれば、定まってくせあり。〈略〉金田屋の名利(ミャウリ)、明石屋のうるさ」
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)長者経「男めうり商めうり虚言ござらぬ。お供なされ」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「冥利」の意味・わかりやすい解説

冥利
みょうり

冥加利益の意。神仏によって知らず知らずに与えられる利益のこと。神仏の助け。転じて,運,幸福の意味で用いられる。

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普及版 字通 「冥利」の読み・字形・画数・意味

【冥利】みようり

冥加。

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