冥加(読み)みょうが

精選版 日本国語大辞典「冥加」の解説

みょう‐が ミャウ‥【冥加】

〘名〙 語。
① 冥々(めいめい)のうちに受ける神仏加護。知らないうちに受ける神仏の恵み。また、偶然の幸いや利益を神仏の賜うものとしてもいう。
※今昔(1120頃か)一七「冥賀人に勝れて、道俗・男女・宗と敬て、肩を並ぶる輩无し」
※浄瑠璃・菅原伝授手習鑑(1746)一「身の恥顕はす錆刀、今日迄人手に渡さぬ武士の冥加(メウガ)
② (形動) ありがたくもったいないさま。冥加に余るさま。
※読本・昔話稲妻表紙(1806)四「こは冥加(ミャウガ)なるおん詞、ありがたきまでにおぼへはんべり」
③ 神仏などの加護・恩恵に対してするお礼。報恩。
※実悟記(1580)「代物をつつませられ被下候間、各為冥加候間、代を被下候を斟酌申候へば」
④ 「みょうがきん(冥加金)①」の略。
※浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)野崎村「ヤアさっきに渡した此銀を、ヲヲ表向で請取たりゃ事は済む。改めて尼御へ布施せめて娘が冥加(メウガ)じゃはいのふ」
⑤ 「みょうがきん(冥加金)②」の略。
※地方凡例録(1794)五「運上と云も冥加と云も同様といへども、急度定りたる物を運上と云」
⑥ 身分、また職業を表わす語の下に付けて自誓のことばとして用いる。その者として違約や悪事をしたら神仏の加護が尽きることがあっても仕方ないの意。
※浮世草子・好色一代男(1682)七「あの君七代まで太夫冥加(メウガ)あれ」

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デジタル大辞泉「冥加」の解説

みょう‐が〔ミヤウ‐〕【冥加】

気がつかないうちに授かっている神仏の加護・恩恵。また、思いがけない幸せ。冥助みょうじょ冥利みょうり。「冥加を願う」「命冥加
神仏の加護・恩恵に対するお礼。
「薬代を―のためにつかはしたし」〈浮・永代蔵・六〉
冥加金」の略。
「この銀を…改めて尼御へ布施、せめて娘が―ぢゃわいのう」〈浄・歌祭文
[類語]加護冥護守り天恵幸せ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「冥加」の解説

冥加
みょうが

知らず知らずのうちに,神や仏あるいは菩薩などから加護をこうむることをいう。仏は潜在的に,衆生の能力に応じて冥加を与えるとされ,その冥加に対する感謝のとして神社や仏閣へ奉納する金銭のことをもいう。

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世界大百科事典 第2版「冥加」の解説

みょうが【冥加】

江戸時代における雑税の一種。幕府から営業を許可された商工業者が,その代償に収益の一部を献金または年々税として上納したもの。本来は献金的性格を持っていたが,のちには税率が定められて毎年賦課されるようになった。したがって運上と一括して取り扱われる例が多い。また,冥加は個人に対するものと商工業者の組合である株仲間に対するものとに分けることができる。江戸時代の田制,税制についての代表的な手引書である《地方凡例録(じかたはんれいろく)》によると,各種の運上と並んで醬油屋冥加永質屋冥加永,旅籠屋(はたごや)冥加永の例が紹介されており,醬油屋冥加はその醸造高に応じて年々賦課し,質屋の場合は軒別に賦課し,旅籠屋冥加は飯盛女を置く宿屋に対して年々賦課した。

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世界大百科事典内の冥加の言及

【運上】より

…したがって,直接課税の意味を含まなかったが,近世に入って課税を意味するものとなった。また,本来は各種営業に対する課税の中で,一定の税率を定めて納めさせるものを運上と称し,免許を許されて営業する者が,その利益の一部を上納するものを冥加(みようが)と呼んで区別した。前者は小物成に属し,後者は献金に属するが,現実には運上も冥加も同一の意味に混同して使われている場合が多い。…

※「冥加」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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