男冥利(読み)オトコミョウリ

デジタル大辞泉 「男冥利」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐みょうり〔をとこミヤウリ〕【男冥利】

男に生まれた甲斐かいのあること。男に生まれたことの幸せ。男冥加おとこみょうが。「男冥利に尽きる」⇔女冥利
神仏御利益で、よい夫にめぐりあえること。
「これほど生まれまさったわしをいやがると、お前、―に尽きて罰があたるよ」〈伎・時桔梗出世請状〉
《男冥利にかけて誓うの意で、男の誓いの言葉として》断じて。決して。
「―、商ひ冥利、虚言きょごんござらぬ」〈浄・博多小女郎
[類語]男性的男らしい雄雄しい男臭い男盛り男振り男前男気伊達だて男性美りりしい勇ましいたけだけしい精悍雄偉いなせ偉丈夫快男児好男子好漢硬骨漢正義漢熱血漢無頼漢

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「男冥利」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐みょうり をとこミャウリ【男冥利】

〘名〙
① 男として神仏から受ける冥々の御利益(ごりやく)。男に生まれたしあわせ。おとこみょうが。⇔女冥利
洒落本辰巳婦言(1798)昼遊の部「わたしゃ出雲にとり残されて男冥理につきたのか」
② よい男を夫とするよう、神仏から恵まれたしあわせ。
※歌舞伎・時桔梗出世請状(1808)大詰「これ程生れまさったわしを否がると、お前、男冥利(ヲトコミャウリ)に尽きて罰があたるよ」
③ 「男冥利にかけて」の意味で、神仏にかけて誓う時に言う語。
浮世草子御前義経記(1700)八「『男みゃうり、のきました』『しからば御目にかかりませう』」

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