(読み)フク

デジタル大辞泉 「福」の意味・読み・例文・類語

ふく【福】

[名]
運のよいこと。幸運。幸い。しあわせ。「を授かる」「の神」⇔
神仏への供え物のおさがり。また、それをいただくこと。おふく。ごふく
「このすず鞍馬の―にて候ふぞ」〈著聞集一八
[名・形動ナリ]ゆたかなこと。裕福なこと。また、そのさま。
「―な旦那を取り放してはと」〈浮・禁短気・五〉
[類語]幸福幸せ幸いさち果報冥利みょうり多幸多祥たしょう万福ばんぷく至福浄福清福福福大福ハッピー

ふく【福】[漢字項目]

[音]フク(漢) [訓]さいわい
学習漢字]3年
豊かな幸運。さいわい。「福祉福相福徳禍福幸福至福祝福浄福清福多福追福万福冥福めいふく裕福
[名のり]さきさち・たる・とし・とみ・むら・もと・よ・よし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「福」の意味・読み・例文・類語

ふく【福】

  1. 〘 名詞 〙
  2. さいわい。しあわせ。幸福。幸運。⇔禍(か)
    1. [初出の実例]「到る所を知ら不るが故に、為に福を修す」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. [その他の文献]〔書経‐洪範〕
  3. 神仏への供物をおろしたもの。神仏からの賜り物として、それに幸運があるとした。
    1. [初出の実例]「此すずはくらまのふくにてさぶらふぞ」(出典:古今著聞集(1254)一八)
  4. ( 形動 ) ゆたかに富みさかえること。裕福なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「揚屋へ内証申は、まづ金銀福(フク)成。大臣なり」(出典浮世草子・好色盛衰記(1688)三)

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【宴会】より

…寺院については1185年(文治1)文覚(もんがく)が起請文の中で神護寺における酒宴を禁じたほか,1214年(建保2)の極楽坊起請,32年(貞永1)の海竜王寺制規など,その事例は多い。公家の場合も1191年(建久2)の新制で〈隣里雑人の群飲射的〉を〈闘殺の根元〉として禁じ,1212年(建暦2)と31年(寛喜3)の新制にも同様の条文があり,公家新制に応じて制定された1226年(嘉禄2)と63年(弘長3)の興福寺の新制でも酒宴は禁じられている。鎌倉幕府が1252年(建長4)以後,しばしば沽酒(こしゆ)禁制を発しているのも,同じ効果をねらったのであろうが,〈二条河原落書〉に詠まれたような茶寄合,連歌会にともなう〈飲酒乱舞〉に対し,1336年(延元1∥建武3)室町幕府は《建武式目》の第2条で〈群飲佚遊〉を厳しく禁じたのである。…

※「福」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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