実験小説論(読み)ジッケンショウセツロン

デジタル大辞泉 「実験小説論」の意味・読み・例文・類語

じっけんしょうせつろん〔ジツケンセウセツロン〕【実験小説論】

原題、〈フランスLe Roman expérimentalゾラによる文学論。1880年刊行。自然主義文学理論をいち早く提示したもので、ベルナールの「実験医学研究序説」やテーヌ決定論影響を受けている。

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精選版 日本国語大辞典 「実験小説論」の意味・読み・例文・類語

じっけんしょうせつ‐ろん ‥セウセツ‥【実験小説論】

〘名〙 フランスの作家ゾラが初めて唱えた小説論。作家の想像作為だけで小説を書くのではなく、科学者のような態度人生を観察し、さらにいろいろな条件を与えて実験するように小説を構成する方法。ゾラは特に遺伝環境を重視し、この方法によって、連作「ルゴン‐マッカール叢書」二〇巻を書いた。日本では明治二二年(一八八九)、森鴎外によって紹介され、また明治三五年頃、小杉天外、永井荷風らによって創作化された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「実験小説論」の意味・わかりやすい解説

実験小説論
じっけんしょうせつろん
Le Roman expérimental

フランスの小説家エミール・ゾラの自然主義小説論。 1879年雑誌に発表,他の評論と合せて 80年刊。 C.ベルナールの『実験医学序説』 (1865) に拠り,ある遺伝と環境を実験的に設定し,そのなか人間がいかに行動するかを科学的に叙述することを主張した自然主義のマニフェスト

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