清津川(読み)きよつがわ

日本歴史地名大系 「清津川」の解説

清津川
きよつがわ

群馬県境にある白砂しらすな(二一三九・七メートル)付近に源を発し、南魚沼郡湯沢ゆざわ町で佐武流さぶり(二一九一・五メートル)苗場なえば(二一四五・三メートル)や群馬県境の大源太おおげんた(一七六四・一メートル)などからの沢水を集めて北流し、高津倉たかつくら(一一八一メートル)西の急斜面辺りで中里村に入って深い峡谷をつくり、途中苗場山北方の小松原こまつばら付近に源を発するかま川を倉俣くらまたで合せ、荒屋あらや信濃川右岸に注ぐ。流長約四三キロ。峡谷は湯沢町八木沢やぎさわから小出こいでまでの約八キロを清津峡とよび、両岸の国有林約四六三・八ヘクタールを含んで国指定名勝・天然記念物。峡谷は岩と堅緻な緑色凝灰岩とからなり、直立した柱状節理絶壁をなす。水質は濃い鉱分を有し、魚類の生息や飲用には適さないが、清冽である。

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改訂新版 世界大百科事典 「清津川」の意味・わかりやすい解説

清津川 (きよつがわ)

新潟県南東部を流れる信濃川の支流。新潟・長野県境の佐武流山(2192m)に発し,苗場山東麓を北流,魚沼丘陵南部を経て十日町盆地に入り,信濃川右岸段丘を横切ってJR飯山線越後田沢駅近くで信濃川に合流する。幹川流路延長34.7km,全流域面積307.4km2。八木沢から下流清津峡温泉までの約8kmが絶壁と複輝石安山岩の柱状節理が発達する清津峡(名・天)で,新緑・紅葉時には谷壁の探勝路は観光客を集める。清津川上流には上池のカツサダム,下池の二居(ふたい)ダムをもつ電源開発会社の奥清津揚水式発電所(最大出力100万kW)が稼働している。なお1996年奥清津第2発電所(同60万kW)が運転を開始。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「清津川」の意味・わかりやすい解説

清津川
きよつがわ

新潟県南部の湯沢町、十日町市(とおかまちし)を流れる信濃川(しなのがわ)の支流。新潟・長野県境の佐武流(さぶる)山(2192メートル)に源を発し、苗場(なえば)火山山麓(さんろく)を迂回(うかい)して十日町市中里地区田沢で信濃川に合流する。延長43.1キロメートル。江戸時代、上流は三国街道筋で有名な三国三宿(浅貝、二居(ふたい)、三俣(みつまた)。湯沢町)があった。また上流の奥清津ダムは余剰電力で水を蓄えて有効に利用するロックフィル式多目的ダムで発電、農業用水に大きな効果をあげている。中流の八木沢(やぎさわ)(湯沢町)から小出(こいで)(十日町市)にかけての8キロメートル間は苗場火山の輝石安山岩をうがって断崖(だんがい)絶壁をなし、「清津峡」とよばれる景勝地(国指定名勝・天然記念物)。谷口には清津峡温泉もあり、柱状節理の渓谷と田代(たしろ)の七ツ釜(がま)で有名な支流釜川をあわせて、十日町盆地の高位段丘を侵食し、広い河谷平野をつくって信濃川に合流する。

[山崎久雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清津川」の意味・わかりやすい解説

清津川
きよつがわ

新潟県南部を流れる川。信濃川の支流で新潟・長野・群馬県の県境の白砂山 (2140m) に発し,魚沼丘陵を横切り,十日町盆地で信濃川に合流する。全長約 43km。上流の三国地方に貝掛温泉,赤湯温泉があり,中流部の八木沢から清津峡温泉にいたる間は清津峡となる。上,中流域は上信越高原国立公園に属する。奥清津川,清津川,湯沢などに発電所が建設されている。

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