福田繁雄(読み)フクダシゲオ

デジタル大辞泉 「福田繁雄」の意味・読み・例文・類語

ふくだ‐しげお〔‐しげを〕【福田繁雄】

[1932~2009]グラフィックデザイナー東京の生まれ。だまし絵技法をふんだんに取り入れたポスターや、錯視を利用した立体作品などを多数制作。平成9年(1997)紫綬褒章受章

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福田繁雄」の意味・わかりやすい解説

福田繁雄
ふくだしげお

[生]1932.2.4. 東京,東京
[没]2009.1.11. 東京,三鷹
グラフィックデザイナー。1956年東京芸術大学美術学部図案科を卒業。会社員を経て 1958年に独立。単純化された造形に錯視など視覚の生み出す遊びを楽しむような,機知ユーモアに富んだデザインを特徴とした。1970年開催の日本万国博覧会大阪万博)公式ポスター,1975年にポーランドで開催された戦勝30周年記念国際ポスターコンクールで最高賞を受賞した『VICTORY』などのポスターやシンボルマーク,イラストレーションで知られるほか,1985年の国際科学技術博覧会(つくば科学博)「子供広場・さがし絵の森」や「UCC館」の展示,オブジェ,玩具,彫刻を手がけるなど,活動領域は幅広かった。2000年から日本グラフィックデザイナー協会会長。1972年ワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金賞,1986年毎日芸術賞,1987年ニューヨーク・アートディレクターズクラブ ADCの「名誉の殿堂賞」など多くの賞に輝いた。1997年紫綬褒章を受章。『福田繁雄のからくりデザイン』(1986),『福田繁雄標本箱』(1987)などの著書がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「福田繁雄」の意味・わかりやすい解説

福田繁雄【ふくだしげお】

グラフィック・デザイナー。東京生れ。東京芸術大卒。味の素宣伝室,河野鷹思の〈デスカ〉を経て1959年独立。1960年代イタリアのブルーノ・ムナーリの仕事に触発され,組木玩具,絵本等を個展で発表。娘(福田美蘭(みらん)〔1963-〕,画家)の誕生をきっかけに制作を始めた作品だったが,ポール・ランドの目に留まり,ニューヨークで個展,さらにロンドンアムステルダム等にも巡回し,世界的にその仕事が知られるようになる。錯視効果,トロンプ・ルイユ手法など巧みに取り入れたユーモア,機知に富む作品を発表。その活躍の幅はグラフィック・デザインの枠を超え,ポスター,イラストのみならず,版画,彫刻,遊具,環境デザインと多岐にわたった。
→関連項目日本宣伝美術協会

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「福田繁雄」の解説

福田繁雄 ふくだ-しげお

1932-2009 昭和後期-平成時代のグラフィックデザイナー。
昭和7年2月4日生まれ。味の素勤務をへて昭和33年フリー。42年大阪万博の公式ポスターを制作。47年ワルシャワ国際ポスター-ビエンナーレ金賞,61年毎日芸術賞。だまし絵など視覚のトリックをとりいれたユーモア・遊び心で平面から立体,環境デザインと幅ひろく活動。日本グラフィックデザイナー協会会長などをつとめた。平成21年1月11日死去。76歳。東京出身。東京芸大卒。著作に「視覚トリック」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android