デジタル大辞泉
「管轄」の意味・読み・例文・類語
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かん‐かつ クヮン‥【管轄】
〘名〙 (「管」は
門戸のかぎ、「轄」は
車輪のはずれるのを防ぐ
くさびの意) 権限をもって支配すること。また、その支配の及ぶ範囲。
※詩序集(1133頃)月下客衣冷詩序〈
藤原永範〉「誠是朝之管轄、抑亦国之光暉也」
※新聞雑誌‐三号・明治四年(1871)
六月「各所長に随て六省の
政事を管轄
(クハンカツ)せしめ」 〔
孫綽‐為功曹参軍駮事牋〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
管轄
かんかつ
Zuständigkeit
一般には国家の主権や官庁の権限の及ぶ範囲をいう。しかし通常は,裁判管轄をさし,異種多数の事件を各裁判所に分担させる定めであり,裁判籍と同義の場合もある。
(1) 民事訴訟上,裁判管轄の種類は,種々の観点から分類される。 (a) 専属管轄と任意管轄 前者は,裁判所や当事者の意思で動かすことのできないものである。 (b) 職分管轄,事物管轄,土地管轄 職分管轄は,判決手続,強制執行手続,保全訴訟手続などをどの裁判所の分担とするかという問題であり,審級管轄はこれに含まれる。事物管轄は,地方裁判所と簡易裁判所の分担の問題である。土地管轄は,同種の職分を所在地を異にする同種の裁判所に分担させる問題である。そのほか法定管轄,指定管轄,合意管轄,応訴管轄などに分けられる。
(2) 刑事訴訟では合意管轄は認められず,管轄の移転,関連事件の管轄が認められ,専属管轄とそうでない場合とがある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
普及版 字通
「管轄」の読み・字形・画数・意味
【管轄】かん(くわん)かつ
車のくさび。管下をとりしまる地位にたとえる。晋・孫綽〔功曹参軍の為に事を駁する牋〕綱紀、管の任に居り、以て外を糺司す。字通「管」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の管轄の言及
【裁判管轄】より
…多種かつ多数の裁判所の間で裁判権行使を分掌する定めをいう。単に管轄ともいう。同じ内容を表すのに裁判管轄権,管轄裁判所という語も用いるが,これは視点の違いである。…
※「管轄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」