改訂新版 世界大百科事典 「アオアシシギ」の意味・わかりやすい解説
アオアシシギ
greenshank
Tringa nebularia
少し上に反った長いくちばしをもった脚の長い中型のチドリ目シギ科の鳥。脚が青緑色なのでこの名がある。ユーラシア大陸の北部で広く繁殖し,冬はアフリカ,アジア南部で越冬する。日本には旅鳥として,春と秋に渡来し,海岸や河口の干潟,入江,海岸近くの水辺やハス田などにすむ。全長約35cm。体は細く,くびも脚も長くて,スマートな体つきをしている。体の上面は灰褐色で,腰と尾は白い。体の下面は白くて,胸には不明りょうな黒斑がある。干潟や浅い水の中を活発に歩いて,小魚,昆虫,貝類など,動物質の餌をあさる。数羽から数十羽の群れをつくっていることが多く,飛び立つときや飛翔(ひしよう)中に,キョー,キョー,またはチョー,チョーと聞こえる澄んだ声で鳴く。ツンドラの地上に皿形の巣をつくり,1腹4卵を産む。卵はクリーム色,淡黄色などの地に暗褐色の斑がある。抱卵日数は約25日。
執筆者:高野 伸二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報