アラニュ
Arany János
[生]1817.3.2. ナジサロンタ
[没]1882.10.22. ブダペスト
ハンガリーの詩人。貧農の家に生れ,苦学して教師,官吏の職についた。 1845年,風刺詩『失われた憲法』によって文学賞を受賞,詩人としての道を歩みはじめた。翌 46年,14世紀ハンガリーの民族的英雄を主人公にした叙事詩『トルディ』 Toldiを発表して2度目の文学賞を得,一躍有名になるとともに,同時代の革命的愛国詩人ペテーフィと親交を結び,48~49年の民族革命に参加し,その敗北後は一時田舎に隠退した。『トルディの夜』 Toldi estéje (1854) ののち再び首都に出て,『トルディの恋』 Toldi szerelme (79) を書き,トルディ3部作を完成。そのほかハンガリー建国の伝説をもとに叙事詩『ブダの死』 Buda halála (63) ,バラード『ウェールズの吟遊詩人』A walesi bárdok (57) などにより国民詩人としての地位を確立した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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アラニュ
Arany János
生没年:1817-82
ハンガリーの詩人。東部ナジサロンタ(現在ルーマニア領)の没落した貴族の家に生まれ,父親から口承文芸を聞いて育つ。役者,教師,公証人を経て,1846年にキシュファルディ協会の懸賞募集に入賞。さらに翌年14世紀の英雄を描いた叙事詩《トルディ》で名声を確立した。《トルディの夜》(1854),《トルディの恋》(1879)の三部作のほかにバラードも多く,シェークスピアの《ハムレット》等の翻訳も多い。
執筆者:岩崎 悦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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アラニュ
あらにゅ
Arany János
(1817―1882)
ハンガリーの詩人。14世紀の騎士を主人公とした長編叙事詩『トルディ』(1846)三部作で名高い。『ウェールズの吟遊詩人』(1857)などのバラードも評価される。フン人の伝説に拠(よ)った『ブダの死』(1863)には、現代小説の兆しがみられ、晩年の『秋の花』(1877)は、時代の沈痛さと詩人の孤独感が影を落としている。シェークスピアの名訳と言語学の優れた研究もある。
[岩崎悦子]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のアラニュの言及
※「アラニュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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