公証人(読み)こうしょうにん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公証人
こうしょうにん

公正証書の作成,定款・私署証書の認証確定日付の付与などを行なう権限のある公務員。公証人は,法務大臣が任命する(公証人法11)。その多くは,司法試験合格後,司法修習生を経た裁判官検察官などの法曹有資格者である。国家から給与を受けられず,依頼者からの手数料などから収入を得る。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

公証人

法務省によると今年3月末時点で、全国300カ所の公証役場で497人が働く。制度上の定員は約670人。定款認証などの手数料収入は全国平均で1人あたり年間約3千万円。この3~7割の金額が経費として支出されているという。定年は70歳。

(2018-05-20 朝日新聞 朝刊 1総合)

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百科事典マイペディアの解説

公証人【こうしょうにん】

公証人法(1908年)に基づき,当事者などから依頼を受けて,契約その他私法上の権利に関する事実について公正証書を作成し,また私文書や定款に認証を与える権限をもつ実質的意味での公務員。公証人が執務する場所を公証人役場という。公証人は法務大臣が任命するが,一定の資格が必要とされ,実際には裁判官や検察官経験者が大半を占めている。なお,公証人には守秘義務がある。→遺言証書
→関連項目執行証書認証

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葬儀辞典の解説

公証人

法律実務(裁判官、検察官、弁護士など)に長年携わってきた人の中から選ばれ、法務大臣が任命する公務員。公証人役場は全国に300以上あり、遺言書の作成にあたっては、どこの役場でもかまいません。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうしょうにん【公証人 notaio[イタリア]】

契約その他私権に関する事実を中心に,公の証明を与える職にあるもので,法律関係を明確にして紛争を予防する役割を果たしている。その資格・権限等はさまざまで,ローマ法の影響の濃いラテン系に属するフランス,イタリア,スペイン,メキシコなど中南米諸国,オランダ,ドイツ,オーストリアなどでは,一般に法律専門家として扱われているが,アングロ・サクソン法系のうち,たとえばアメリカ各州のnotary publicなどでは,おおむね非法律家として位置づけられている。

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大辞林 第三版の解説

こうしょうにん【公証人】

私権に関する公正証書を作ったり、私署証書に認証を与えるなどの権限を持つ公務員。一定の試験に合格した者、および裁判官・検察官・弁護士の資格ある者などの中から法務大臣が任命する。法務局または地方法務局に所属し、その管轄区域内に公証人役場を設けて執務する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公証人
こうしょうにん

国家公務員法に定める公務員ではないが、公証人法(明治41年法律53号)等に基づき国の公務をつかさどっているので、実質的意味における国家公務員である。公証人の職務は、法律行為(契約、遺言等)その他私権に関する事実についての公正証書の作成、私署証書(外国に送付する文書、定款、謄本等)の認証、確定日付の付与等である。公証人になるための資格試験があるが、実際には、裁判官、検察官、弁護士などのなかから法務大臣によって任命される。公証人は、法務局または地方法務局に所属し、公証人役場で職務を行い、法務大臣の監督を受ける。国家から給与を受けず、嘱託人から受ける手数料収入によって事務所の経営その他いっさいの経費をまかなっている。[池尻郁夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こうしょう‐にん【公証人】

〘名〙 法律行為など私法上の権利に関する事実について、当事者その他の関係人の依頼によって公正証書を作成し、私署証書や定款に認証を与える権限をもつ者。法務大臣が、一定の試験に合格した者および判事、検事、弁護士などから任命する。
※仏国政典(1873)〈大井憲太郎訳〉三・総論「公証人 ノテールは一の役員にして〈略〉公正の証書を作為し」

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世界大百科事典内の公証人の言及

【公正証書】より

…広くは公務員がその権限に基づいて作成する文書(戸籍簿など)を意味するが,一般には公証人が当事者その他の関係人の嘱託により法律行為(売買契約,遺言など),その他私権に関する事実(人の出生,会社の総会の議事など)について作成する証書をいう(公証人法1条)。公正証書には,公証人が嘱託人またはその代理人から聴取した陳述,目撃した状況(たとえば,会社の総会の議事の経過,債務者が債権者に対してした弁済提供の状況),その他公証人が実際に試みて経験した事実(たとえば,約束手形を振出人に呈示したが支払を拒絶された事実)を録取し,かつ,どのような方法でその経験をしたかを記載し,公証人および列席者各自の署名押印がされる(35,39条)。…

【署名】より

… しかし私文書の発給者ならびに証人が署名するという形式は13世紀ごろからしだいにすたれていった。イタリアを中心として公証人制度が発展し,公証人の認証が文書の真正性を保証するという観念が拡大したのである。公証人は署名のほかに必ずsignum notarii(公証人書判)を書いた。…

※「公証人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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