アルクマン(読み)あるくまん(英語表記)Alkman

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルクマン」の意味・わかりやすい解説

アルクマン
あるくまん
Alkman

生没年不詳。紀元前7世紀後半のギリシアの叙情詩人リディアの生まれとも、スパルタ人ともいわれる。スパルタで合唱詩人として活躍し、合唱叙情詩の形式を樹立した。6巻の詩集があったが、断片しか残っていない。自然や美に対する細やかな感受性感情機微を伝える繊細さなどから天成の詩人であったと思われる。100行近い断片『パルテネイオン』(乙女歌)は、彼を知るうえで重要である。

[橋本隆夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルクマン」の意味・わかりやすい解説

アルクマン
Alkman

前7世紀後半のギリシアの抒情詩人。リュディアのサルデイスの生れ。現存する最古合唱隊歌作者。スパルタで活躍。アルテミス女神をはじめスパルタの祭礼のための合唱隊歌,特に乙女歌 Partheneionが多い。ほかに賛歌酒宴の歌,ホメロス吟唱のための序歌,鳥や馬の歌もあった。ヘレニズム時代にその作品は6巻に編集されていたが,断片のみ現存。

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