アワルア鉱(読み)アワルアこう(その他表記)awaruite

最新 地学事典 「アワルア鉱」の解説

アワルアこう
アワルア鉱

awaruite

化学組成Ni2Fe〜Ni3Feの鉱物。立方晶系,空間群, 格子定数a0.356nm。金属光沢のある白色粒状集合体。モース硬度5.5〜6,ビッカース硬度VHN15~100 209~420, 比重7.9〜8.2。反射顕微鏡下ではわずかに緑色を帯びた白色で,等方性を示す。反射能60%。内部反射なし。蛇紋岩化した岩石中にヒーズルウッド鉱磁鉄鉱ペントランド鉱などと産する。名称原産地ニュージーランド,アワルア湾付近にちなむ。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アワルア鉱」の意味・わかりやすい解説

アワルア鉱
あわるあこう
awaruite

金属元素鉱物の一つ。自然ニッケル系の合金鉱物で化学組成上Ni3Fe~Ni2Feの間で変化する。アワルワ鉱ともいう。合金の成分を構成する元素は鉄族のものに限られているとされてきたが、1981年パキスタンのサハコト・キーラSakhakot-Qila塩基性複合岩体から、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)など白金族元素を含むものが発見されている。また少量のコバルト(Co)や銅(Cu)を含むものもある。

 超塩基性岩、とくに蛇紋(じゃもん)石化の進んだ橄欖(かんらん)岩中に産し、また隕石(いんせき)中にも産する。日本では高知県南国(なんこく)市岡豊(おこう)の蛇紋岩の砕石場などから顕微鏡的な微細粒が発見されており、その生成には、母岩の蛇紋石化が密接に関係している。

 自形はきわめてまれであるが、正八面体のものが報告されている。多く表面の滑らかな塊状をなす。共存鉱物は磁鉄鉱、蛇紋石、緑泥石、苦土橄欖石のほか、クロム鉄鉱、ヒーズルウッド鉱、ペントランド鉱、針ニッケル鉱、自然鉄Fe(実際上は(Fe,Ni))、自然ニッケルなどがある。パキスタン産のものはRu-Os-Ir-Ni-Fe合金鉱物と共存するが、その一部にはこれらの酸化物の存在も指摘されている。本鉱は、ニュージーランド南端のアワルア湾に注ぐ、ジョージ川の流域に分布する超塩基岩体中から最初に記載され、この湾の名が命名に用いられた。

[加藤 昭 2016年2月17日]


アワルア鉱(データノート)
あわるあこうでーたのーと

アワルア鉱
 英名    awaruite
 化学式   Ni3Fe~Ni2Fe
 少量成分  Co,Cu,Ir,Os,Pt,Ru
 結晶系   等軸
 硬度    5.5~6
 比重    7.8~8.2
 色     銀白~灰白
 光沢    金属
 条痕    灰
 劈開    無。展性・撓性(とうせい)あり
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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