ウェークフィールドの牧師(読み)うぇーくふぃーるどのぼくし(英語表記)The Vicar of Wakefield

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウェークフィールドの牧師
うぇーくふぃーるどのぼくし
The Vicar of Wakefield

イギリス作家、O・ゴールドスミス中編小説。1766年刊。田舎(いなか)牧師プリムローズの家族を中心に、生起するできごとを多少アイロニーを含めて牧歌的な雰囲気のなかで描いている。人のよい、だまされやすい一家災いが次々と降りかかり、最後には一時に不幸がどっと押し寄せるが、無事収まって平和な暮らしに復するという物語。その楽しい牧歌的な雰囲気は、とくにゲーテの好んだところで、彼は若いときにこの作品から強い影響を受けた。

榎本 太]

『神吉三郎訳『ウェークフィールドの牧師』(岩波文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ウェークフィールドの牧師
ウェークフィールドのぼくし
The Vicar of Wakefield

イギリスの作家 O.ゴールドスミス小説。 1766年刊。人がよくて世間知らずの田舎牧師プリムローズがいろいろな不幸に出会うが最後には神の導きと摂理によって幸福になるという物語。この時代に顕著なセンチメンタリズムがこの小説にも感じられるが,一方では安易な感傷への軽い皮肉や風刺もあり,独特のユーモアにあふれていてただの家庭小説ではない。ゲーテの愛読書であったことは有名。

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