イギリスの作家、O・ゴールドスミスの中編小説。1766年刊。田舎(いなか)牧師プリムローズの家族を中心に、生起するできごとを多少のアイロニーを含めて牧歌的な雰囲気のなかで描いている。人のよい、だまされやすい一家に災いが次々と降りかかり、最後には一時に不幸がどっと押し寄せるが、無事収まって平和な暮らしに復するという物語。その楽しい牧歌的な雰囲気は、とくにゲーテの好んだところで、彼は若いときにこの作品から強い影響を受けた。
[榎本 太]
『神吉三郎訳『ウェークフィールドの牧師』(岩波文庫)』
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