デジタル大辞泉 「転」の意味・読み・例文・類語
うたた【▽転】
1 ある状態が、どんどん進行してはなはだしくなるさま。いよいよ。ますます。転じて、そうした状態の変化を前にして心が深く感じ入るさまにいう。「
2 (「うたたあり」の形で)不快な感じをもたらすさま。嫌な気を起こさせるように。ひどく。
「花と見て折らむとすれば
「いと―あるまで世を恨み給ふめれば」〈源・手習〉
[類語](1)まして・なおさら・いわんや・さらに・余計・一層・もっと・ますます・いよいよ・より・も少し・もう少し・ずっと・なお・一段・
てん【転〔轉〕】[漢字項目]
[学習漢字]3年
1 くるくる回る。ころがる。ころがす。「転転/運転・回転・空転・自転・旋転・輪転」
2 ひっくり返る。ころぶ。「転倒・転落/横転」
3 方向を変える。変わる。変化する。「転化・転換・転義・転向・転身/暗転・急転・好転・変転」
4 場所を変える。移る。移す。「転移・転記・転居・転校・転写・転出/移転・栄転」
[名のり]ひろ
[難読]
うたて【▽転】
1 自分の心情とは関係なく、事態がどんどん進んでいくさま。ますます。
「いつはなも恋ひずありとはあらねども―このころ恋し繁しも」〈万・二八七七〉
2 事の成り行きが、心に適わないとして嘆くさま。つらく。情けなく。
「からくして思ひ忘るる恋しさを―なきつる鶯の声」〈大和・一〇五〉
3 事態が普通でないさま。いやに。異様に。
「散ると見てあるべきものを梅の花―にほひの袖にとまれる」〈古今・春上〉
[形動ナリ]はなはだよくない。情けない。
「―なりける、心なしの痴れ者かな」〈宇治拾遺・二〉