スペインの哲学者。マドリードに生まれる。マドリード中央大学(現、マドリード・コンプルテンセ大学)で哲学を学んだのちドイツに留学、コーヘン、ジンメル、ブントらの教えを受けたという。27歳のときマドリード大学の形而上学(けいじじょうがく)教授に就任した。以後、活発な著作活動に入り、『ドン・キホーテ論』(1914)、『現代の課題』(1923)、『大衆の蜂起(ほうき)』(1930)、『技術論』(1939)、『体系としての歴史』(1941)、『危機の本質』(1942)、『世界史の一解釈』(1948)などを次々に発表した。スペインの内乱に際し外国に亡命したが、1945年に帰国して、スペインの知的復興に尽力した。
彼の根本思想は、ニーチェ、ディルタイらの流れをくむ「生の哲学」に根ざすものだが、同国人のウナムーノのように、理性を生に敵対するものと考えず、ウナムーノ的非合理主義を、ディルタイから学んだ「歴史的理性」あるいは「生命的理性」によって超えることにより、生と理性との統合を目ざす独自の「生の哲学」を構想し、この立場から広く現代の問題や文化一般を論評して、スペインだけでなく、全ヨーロッパの思想界に大きな影響を与えた。1955年10月18日、マドリードで死去。
[伊藤勝彦 2015年11月17日]
『樺俊雄訳『大衆の蜂起』(1953・創元社)』▽『ホセ・オルテガ・イ・ガセー著、西沢龍生訳『反文明的考察』(1966・東海大学出版会)』▽『『オルテガ著作集』全8巻(1969~1970/新装復刊版・1998・白水社)』
1883~1955
スペインの哲学者。ニーチェの影響を受けて生の哲学の立場に立ち,観念論を克服して,人格的生命力を中心とする文化の確立こそ現代ヨーロッパの課題であるとする。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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